研究課題/領域番号 |
15K11701
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
坂口 けさみ 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (20215619)
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研究分担者 |
芳賀 亜紀子 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (10436892)
徳武 千足 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (00464090)
山崎 浩司 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (30378773)
金井 誠 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60214425)
大平 雅美 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (50262738)
市川 元基 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60223088)
米山 美希 信州大学, 学術研究院保健学系, 助手 (90747891)
鈴木 敦子 信州大学, 学術研究院保健学系, 助手 (50759363)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ヒューマンセクシャリティ / 自尊感情 / 多様性 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
自尊感情とは、自分の短所や欠点も含めて、自分で自分を価値あるものとする、あるいは自分で自分を肯定的に認められる感情をさす。今回、大学4年生を対象に、自尊感情の実態と形成要因を明らかにするとともに、自尊感情が恋愛観や結婚観に及ぼす影響について検討した。対象は4年生であり、自記式質問用紙を配付し回収した。回収率は218人(39.4%)であった。調査内容は、ローゼンバーグの自尊感情評価尺度に加えて、親子関係、進路や大学生活、対人関係、身体イメージ、恋愛・結婚観などであった。その結果、就職先が決定していること、大学生活の満足度、身体イメージの高い学生、両親に守られながら主体性を育んだ学生ほど、自尊感情は高かった。また恋愛・結婚についても前向きに行動する学生において自尊感情が高かった。以上のことから、先に調査した1年生のみならず、4年生においても学生生活の満足度、両親との関係、対人関係、結婚・恋愛観と自尊感情の関係が強く関係していることが明らかとなった。今後、1年生と4年生の自尊感情や関連要因について比較検討を進める予定である。 また今年度は、学生の自尊感情を高めるためのヒューマンセクシャリティ教育プログラム作成にあたり、海外視察を行った。視察期間は平成29年3月であり、スウエーデンを対象に性に関する教材収集を行うとともに、ハルムスタッド大学のStig Perttu先生らより、スウエーデンでの性教育やダイバーシティの観点での取り組みに関する情報収集を行った。また一般市民より性教育に関する情報を得た。これらの視察は、性に関して早くから必要な知識を明確に伝える重要性を確認するとともに、わが国におけるヒューマンセクシャリティやダイバーシティ教育を考える貴重な機会となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで大学1年生及び、今回4年生を対象に、自尊感情の実態と関連する要因について検討を進めた。その結果、200名以上の大学4年生を対象に、自尊感情の実態と関連要因について調査を進めることができ、一定の知見を得ることに繋がった。またヒューマンセクシャリティに関する教育プログラムをより質の高いものとするために、性に関する先進国であるスウエーデンを対象に視察を行った。大学での視察やスウエーデンに住む一般住民より、家庭や学校での性教育について情報を収集でき、これらの知見は今後のヒューマンセクシャリティ教育プログラムに還元していきたいと考える。 現在、ヒューマンセクシャリティに関する教育プログラム内容が確立しつつあるが、このプログラムに参加する学生が今年度急増し、これまで約半数の100名前後に対して、約200名に達した。ここでは一方的な講義のみでなく、随時、このことをどう考えるのか、どうしてそう考えるのか、など、思考する時間をとりいれるとともに、男女間での交互コミュニケーションにより思考過程が進められるよう配慮して進めた。今後その成果指標を明確にしたいと考えている。なお、本教育プログラムの内容については新聞記事となり、地方紙に掲載された。 以上より、概ね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
以下に示す2点である。1点目は大学生の自尊感情と関連要因が、1年生と4年生でどのように違うのか、双方を比較することで、それぞれの特徴を明確にするとともに、自尊感情の推移と関連する要因のついて明らかにしていく。また生育歴で重要なこと、学生生活で重要なこと、今後の恋愛や結婚観を育む上で重要なことなども含めて明らかにする。 2点目は、ヒューマンセクシャリティに関する教育プログラムを確立するとともに、そのプログラム評価を行い、プログラムの成果を明らかにすることである。現時点でプログラムは15回組まれており、単なる小学校、中学校、あるいは高校で行っている性教育内容にとどまらず、自分を捉え直すとともに、他人を大切にでき、多様な考えや性を理解できる力を培い、また恋愛観や結婚観が高まるとともに、人として、自分らしく生きていける力を培うことをねらった内容をめざしている。最終的には教育プログラム評価を行い、成果を確認していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予算よりも旅費などが安価に済んだために、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に調査し得られた結果を、全国学会(日本母性衛生学会・神戸)で報告する予定。その際、研究協力者として4名の旅費を平成29年度請求額と合わせて支出する。また12月に全国学会が東北(日本看護科学学会・仙台)で開催され、そこへ研究協力者1名分の旅費を支出する予定である。
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