NICUでのGMsの出現様式の検討。GMsは静睡眠期以外のstateでは、3-5分毎に出現する。腹臥位でも同様の出現頻度であり、量的評価指標になりうることが示された。GMsの持続時間は腹臥位やnestで姿勢をくるむと持続は短く、振幅は小さくなるが、回旋の動きは観察され、児のケア姿勢による動きの特徴を明らかにすることができた。 極低出生体重児を対象とし、早産期(~36w)、満期(37~postterm: PT4w)、Fidgety期 (PT8~20w)のGMsを評価した。早産期、満期のGMsの正常(N)、異常(PR)を判定した。Fidgety期が正常例のみを対象とし、発達変化が早産-満期の評価がそれぞれ、N-N、N-PR、PR-PRの3群に分類した。各群と、出生体重、在胎週数、胎児発育遅延、絨毛膜羊膜炎、薬剤治療、コット移床週数などの臨床像との関連を検討した。GMsの発達変化N-PR群は、単調、動きが硬い、体幹の反り返りなどの所見からPR判定となっている例が多かった。極低出生体重の満期時GMsは半数以上が異常判定となり、早産期からの経時的な記録で判定を行うことが望ましい。 GMs詳細評価の振戦、動きの始まり終わりの突発性、nestを外した状態でのstateの安定性が、NICUでの早産児の落ち着きやすさの指標として有用であると考えられた。上記検討項目と発達予後との関連については、現在進行中の予後追跡評価結果をもとに解析する予定である。 GMs検討体制の構築。GMs所見検討会を定期的に30回以上開催した。評価の一致度の検討では定期的な検討会参加者は職種を問わず有意に評価の正確性が増した。遠隔地でも所見検討できるように供覧サーバーを構築した。
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