研究課題/領域番号 |
15K11715
|
研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
西村 真実子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50135092)
|
研究分担者 |
金谷 雅代 (東雅代) 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (80457887)
千原 裕香 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (50738408)
米田 昌代 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (80326082)
曽山 小織 (高野小織) 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (10405061)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 育児困難 / うつ / グループ支援 / 母親 / 乳児 |
研究実績の概要 |
育児困難等のリスクある母子を対象としたグループ「めばえ」の効果を評価するために、参加者に、初回または2回目時点(初期参加時点)と、5回以上参加した時点(継続参加時点)で、質問紙調査(総研式子育て支援尺度の育児困難下位尺度、エジンバラうつスケール、居場所条件尺度等)を実施した。 両時点で回答が得られた15名の母の得点を比較した。うつ得点は2名以外は初期参加時点より継続参加で低下していたが、両時点の得点に有意差はなかった。2名は調査期間中に妊娠、引っ越しがあり、これにより影響を受け得点が高くなった可能性が考えられた。うつ得点と参加回数が関連していると思われたので、「5回までの参加者」と「8回以上の参加者」の2群で得点変化をみた。8回以上の参加者7名のうち5名がカットオフポイントの9点以上であるのに対して、5回までの参加者では8名のうち7名が9点未満であった。うつの強い者が8回以上継続参加している傾向があった。 育児困難のランクは要支援9名、要治療4名、正常2名で、ほとんどが要支援・要治療で、子育てへの困難感が強い者であった。また2時点を比較すると、2名が改善していたが、10名が不変、3名悪化しており、参加回数による違いもみられなかった。 居場所条件尺度の3下位尺度の得点変化は、「基本的信頼」下位尺度で1名、「対象共有」下位尺度で2名、「受容された感覚」下位尺度で1名を除いた者は継続参加で上昇していたが、有意差はなかった。1時点のみ回答した者の得点も入れて2時点の得点変化をみると、「基本的信頼感」「受容された感覚」下位尺度の各得点が初期参加時点に比べて8回以上の時点で有意に上がっていた。 「めばえ」は参加者にとって受け入れられていると感じる安全な場であり、うつ傾向が幾分軽減することがわかった。次年度は話合いの逐語録の質的分析を進める。今後は事例数を増やし、再分析する必要がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集が進んでいる。人数は少ないのは、グループの参加者が限定されているためである。
|
今後の研究の推進方策 |
・話し合い内容について質的分析を行い、グループにおける支援内容を検討していく。 ・データ収集していた行政の本グループ支援が2016年度から形態変更になったため、新たに別の場所においてグループ支援を開始し、さらなるデータ収集をすすめていかなければならない。
|