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2017 年度 実施状況報告書

子ども虐待予防の段階的支援システムの研究:虐待リスクをもつ乳児の母が集う場の評価

研究課題

研究課題/領域番号 15K11715
研究機関石川県立看護大学

研究代表者

西村 真実子  石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50135092)

研究分担者 金谷 雅代 (東雅代)  石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (80457887)
千原 裕香  石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (50738408)
米田 昌代  石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80326082)
曽山 小織 (高野小織)  石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (10405061)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード育児困難 / 育児不安 / 母親 / グループ / 支援 / 安全 / うつ傾向
研究実績の概要

2015年度に評価データを収集していた、行政主催の「育児困難等に関して気になる母親」へのグループ支援が、「気になる母親」だけでなく「全ての乳児の母親」を対象にすることになったため、2017年度は別の行政と連携し、上記の該当の母親を主な対象とするグループ支援を実施し、その効果を評価した。
今年度(2017年度)実施したグループ支援は、BPプログラム(原田ら)を基盤とし部分的に変更した支援であり、2015年度から実施していたグループ支援の方法とは少し異なる。両方の支援における居場所機能尺度のグループ参加前後の得点の変化をみると、母親は各々のグループに安心感を感じていたことがわかった。また、エジンバラうつスケール得点はグループ参加前後で下がっていたが、有意差はみられなかった。2015年度実施の支援においては、参加回数の多い者にうつ得点が多い者が多かった。育児困難のランクは、全体では「要支援」「要治療」の者が多かったが、今回の2つの支援方法両方とも有意な改善がみられなかった。うつ得点の高群・低群において違いがないかをみたところ、事例数は少ないが、低群において改善傾向が確認できた。今後さらに事例数を増やし、検討する予定である。自由記載のアンケートの結果からは仲間作りの機会にもなっていることがわかった。
周産期から乳児早期で育児困難などで気になる母親をキャッチし継続的に支援していくことは親子の愛着形成や虐待予防から重要であるが、家庭訪問などの個別支援を継続的に実施することが難しいと言われている。今回実施したグループ支援の方法をさらに工夫していく必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していたグループ支援が連携していた行政の事情で継続実施できなくなり、それの評価データを十分に収集することができなかった。急遽、別にグループ支援を計画したが、当初の予定通りには進められなかった。

今後の研究の推進方策

1.本研究の結果等から考えられる、周産期から乳児期早期における効果的なグループ支援の方法として重要な点(基本事項)を以下に記す。1)育児困難等の気になる母が気軽に参加できるようなグループへの誘い方を工夫する。2)抱き方・授乳の仕方などの育児スキルのモデル学習ができる場を作る。3)グループの安全性の確保とサポートしあう関係性を作る工夫をする。4)セッション回数を増やす(6回程度)。5)各セッションのテーマとして、乳児のいる生活、夫婦関係・役割分担、祖父母との関係、子育てと自分の時間など、参加者の希望に応じて取り入れる。
2.今後の評価研究において、指標として「子育ての自己効力感」「仲間作りの効果」を追加する。
3.グループ支援の効果がどのくらい続くのかを評価する。

次年度使用額が生じた理由

本研究の介入プログラムは、研究活動(プログラム実施およびデータ収集)実施施設の事業として行われていたが、その施設のトップが変わり該当事業に変更が生じた。これにより、研究3年目は新たに実施施設を依頼・調整しなければならず、このことに時間を要し、研究結果の学会発表を研究期間内に行えなかった。

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公開日: 2018-12-17  

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