妊娠中期の妊婦289名の平均年齢33.0歳、妊娠週数22.0週、非妊娠時BMI21.1、調査時までの妊娠中の体重増加量4.5Kg、自律神経活動の指標であるCVRR(総自律神経活動)3.9%、LF/HF(交感神経活動)2.7、CCVHF(副交感神経活動)1.8%、CCVLF2.0%(交感神経・副交感神経活動)であった。そのうち16名の1週間ライフコーダの結果は平均運動量128.0Kcal、歩数5979.6歩であった。運動量平均値以下(11名)と以上(5名)の2群間で比較を行ったが年齢、非妊娠時BMI、妊娠中の体重増加量、自律神経活動の各指標において有意差はなかった。妊娠末期の妊婦342名の平均年齢32.7歳、妊娠週数32.9週、非妊娠時BMI20.6、調査時までの妊娠中の体重増加量7.8Kg、CVRR3.6%、LF/HF3.3、CCVHF1.5%、CCVLF1.8%であった。そのうち55名の1週間ライフコーダの結果は平均運動量134.2Kcal、歩数5673.8歩であった。運動量平均値以下(34名)と以上(21名)の2群間で比較を行ったが年齢、非妊娠時BMI、妊娠中の体重増加量、自律神経活動の各指標において有意差はなかった。さらに妊娠中の体重増加量が平均値以下(169名)と以上(173名)の2群間で比較を行った結果、平均以上の群は以下の群に比べ年齢は有意に低く、LF/HFは有意に低値であったが、非妊娠時BMIや他の自律神経活動指標に有意差はなかった。以上から妊娠中期と末期において、運動量の少ない妊婦と多い妊婦の非妊娠時BMIや妊娠中の体重増加量、自律神経活動に相違はみられず、運動量の少ない妊婦の特徴を明らかにできなかった。しかし、妊娠中の体重増加量が多い妊婦は少ない妊婦に比べ交感神経活動が高く、妊娠期の適正体重維持に自律神経活動を指標としたアプローチの可能性が示唆された。
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