研究課題/領域番号 |
15K11722
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研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
高田 律美 四国大学, 看護学部, 准教授 (20515803)
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研究分担者 |
堀内 史枝 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50363247)
松原 裕子 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (60403820)
岡 靖哲 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (60419025)
松原 圭一 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (80263937)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 乳幼児突然死症候群 / 母子 / 睡眠 / 新生児 / 保育所 |
研究実績の概要 |
「正期産で出生した新生児の家庭での入眠時の状態と睡眠環境の実態」では,新生児に対し動画で撮影しSIDS予防のうえで注意を要する点で解析した結果,SIDSに関連する姿勢や窒息につながる状態はみられなかったが,睡眠環境や母親は子どもを寝かしつけた後1時間終始観察している例はなく,子どもの周囲の物品はSIDSにつながるものが置かれている睡眠環境もみられた.これらのことから新生児期の自宅での入眠時の観察や環境調整の課題が明らかになった. 「日本の保育所においての乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防対策」の調査では,午睡中のSIDSの発生率はなかったが,危険性のあったケースの発生率は0.9%であった.子どもの健康状態の観察は体位を含めて80%以上で実施していた.その内容は,朝の健康観察,午睡時のチェックリストの活用,体位のチエックや体温の測定などであったが,センサーあるいはビデオ記録を使ったモニタリングはあまり用いられていなかった. 「日本の保育所においてSIDS情報についての入手方法・午睡の実態・安全な睡眠環境」についての調査では,自治体からの指導や点検,本や雑誌,厚生労働省によって配布されたポスター,他の保育所の保母などが主たる情報の入手経路であった.またAmerican Academy of Pediatricsによる「SIDSと睡眠関連乳児死亡についての安全な睡眠環境の勧告」の睡眠に関連する項目については,午睡中の児の体位に注意を払う,温度や空調などを調節するといった勧告は充足されていた.また小児の感染症とSIDSの発症が示唆されていることから,詳細な観察が必要な児にとっての対策が必要であることが明らかになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
出生後早期の睡眠環境や子どもの睡眠状態の調査は実施し結果も発表したが,集積したデータのさらに詳細な解析の実施に当たって,解析方法を追加で検討する必要がある.保育所の睡眠環境や乳幼児突然死症候群の対策,リスク回避の方法について調査発表も予定どおり行っている.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの検討結果について学会発表を行っており,論文発表によって公表する予定である.また乳幼児突然死症候群のローリスクの子どもとハイリスク群についての比較の調査,家庭における母親との相互関係でのリスクの回避の現状等も視野に入れた調査を追加していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
保育所調査を優先して実施したこと,ならびに購入予定の脳波測定ユニットの購入資金を今年度で確保することが困難であったため,購入時期を最終年度に変更している.
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次年度使用額の使用計画 |
本研究に適した脳波測定ユニットを予算額範囲で再構成して,購入ならびに研究の実施に当たる予定である.
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