研究課題/領域番号 |
15K11727
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
西田 みゆき 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 先任准教授 (00352691)
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研究分担者 |
白幡 峰子 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (00600248)
鈴木 紀子 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (70460574)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 小児外科的疾患 / 排泄障害 / 小児看護 / 疾患理解 |
研究実績の概要 |
本年度の目標は、「小児外科的患者における性教育を中心とした疾患理解のためのプログラムの実施およびプログラムの妥当性の評価」をすることであった。 昨年度の「日本における性教育に関する研究の動向について文献検討」の結果、性教育は、保護者、保育士・小中高学校の教諭などによって個々に行われているが、系統だって継続して行われていないことが明らかになった。内容としては、【生命の大切さ】【男女の身体の違い】【妊娠】に関するものが多く、学年が上がるにつれて【性感染症】【避妊】となるが、組み合わせにも規則性はなかった。その結果と性教育に関する教材から8つのセッション(①プライベートゾーン、②自分の身体を守る方法、③女の子の心と身体の変化、④男の子の心と身体の変化、⑤生命の誕生、⑥性感染症、⑦避妊法、⑧デートDV)が必要であることが明らかになった。このことから、小児外科的疾患患児においては、そのうち5つのセッション(①プライベートゾーン、②自分の身体を守る方法、③女の子の心と身体の変化、④男の子の心と身体の変化、⑤生命の誕生)と新たに「私の身体のこと」を加えてプログラムを作成した。 文献検討については、日本看護研究学術集会で発表し、プログラム作成についてはヨーロッパ看護と教育学会で発表した。また、WAS性の健康世界学会に参加し、チェコ共和国における性教育の実態の知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度の目標は、「小児外科的患者における性教育を中心とした疾患理解のためのプログラムの実施およびプログラムの妥当性の評価」をすることであった。よって、この目標を達成するために、作成したプログラムを実施するため、対象患児を診療している施設の倫理委員会に申請したが「このような子どもたちに対する性教育の必要性が理解できない。」との理由で、倫理委員会での承認は得られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
「子どもへの性教育プログラム」についての理解が得にくい状況にあるが、子どもが病状を知らずに治療を受けることを避けるために「体の構造を知るプログラム」に変更している。 また、情報の提供について子どもの状況に応じて、親が実施することができるプログラムの考案を検討中である。そのためには、親が子ども自身が体の構造を知る必要性を理解し、子どもに説明するためのコンテンツの作成をしていく必要があると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度の目標であった「小児外科的患者における性教育を中心とした疾患理解のためのプログラム実施およびプログラムの妥当性の評価」については、対象施設での実施が困難となり、研究が停滞している。その理由としては、疾患が性器に関連するためプログラムの名称や内容説明が「性教育」に特化したように表現していたことと関係していたと考えている。本研究の本来の目的であった「疾患の理解」に焦点を絞り、患者本人が病態や病状の理解をするためには排泄機能も含めた体の理解としてプログラムを再構成する必要がある。また、プログラムの実施者を親に変え、患者にとって最も身近な親が子どもの様子を見ながら説明できるように支援する方法を構築する必要がある。 以上の事から、これまで作成したプログラムの内容を見直し、再構成するための時間と費用が必要となる。そのためには多方面での研究的な関わりの知見を得るための費用が必要である。そして、停滞していた研究をすすめ「疾患の理解」の目標の達成に近づけるようにする。
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