これまで、総排泄腔症などの小児外科的疾患の子どもを対象とした性教育プログラムの構築を行った。本来、「総排泄管残存症患者における性教育を中心とした疾患理解のためのプログラム」開発・評価を目的とし、プログラムの試験実施と評価を基盤とした小児外科的患者への性教育に発展・展開を果たす予定であった。しかし、プログラム実施に関しては、子どもの病態や妊孕性の可能性等の個別性が強く、倫理的に慎重に対応する必要があることが明確になった。そこで、2017年にプログラム作成のためのニーズ調査として面接を行っているが、その内容を再分析し「親が子どもに性に関する問題を尋ねられた時に困る」「親がどのように子どもに伝えて良いのか」という親の問題が抽出された。その結果を踏まえ、今後は親を対象としたプログラムの構築に軌道修正した。内容としては、面接結果から得られた子どもの心情や困難の現状を親に伝え、性に関する内容を子どもが正しく知るための支援方法を記載したものとした。既に作成しているプログラムを活用してどのように親が関わればいいのかなどマニュアルを含めたプログラムの完成を目指していく。
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