研究課題/領域番号 |
15K11730
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
岡田 明子 (蛭田明子) 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (80584440)
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研究分担者 |
堀内 成子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (70157056)
片岡 弥恵子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (70297068)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 周産期喪失 / ペリネイタル・ロス / コミュニケーション / 患者中心 / 共感疲労 / セルフ・コンパション |
研究実績の概要 |
本研究では、周産期喪失のケアにおけるコミュニケーションに焦点をあてた教育プログラムの効果を、ランダム化比較試験により検証した。介入は2日間のメインプログラムと、その6週後に行う1日のフォローアッププログラムからなり、両親中心のコミュニケーションスキルの展開、コミュニケーションに影響を与える看護者自身の感情への対処、及び体験者との交流を含むプログラムである。本研究では、プライマリアウトカムを子どもを亡くした両親とのコミュニケーションにおける自己効力感とし、セカンダリアウトカムをコミュニケ-ションにおける不安・困難感、共感疲労、セルフ・コンパッション、コミュニケ-ションスキルの活用とした。エンドポイントは初回介入から12週後である。 リクルートに想定より時間がかかり、期間内にデータの回収が終了できず期間延長としたが、2018年度にすべてのデータを回収し、分析を行った。最終的に、87名の看護師・助産師が研究への参加に同意し、2群にランダムに割り付けられた。分析はFAS解析にて実施しており、初回の質問紙に回答のあった者が分析の対象である(介入群41名、対照群37名)。 分析の結果、自己効力感、不安・困難感、コミュニケーションスキルの活用で介入の効果が認められた(いずれもt検定にてp<.001)。しかし、共感疲労、セルフ・コンパッションに有意差は認められなかった。介入群における経時的な変化では、共感疲労を除くすべてのアウトカム指標で介入12週後に有意に仮説どおりの上昇・低下がみられた。また、介入群のうち80.5%の看護者が、介入12週後の時点でコミュニケーションにおける行動変容があると回答した。 これらの結果より、開発したプログラムは子どもを亡くした両親とのコミュニケーションの改善に効果が期待できることが示された。現在英文での投稿を進めている。
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