研究課題/領域番号 |
15K11731
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
和田 久美子 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (50320867)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | グリーフワーク / サポート / 闘病仲間 |
研究実績の概要 |
本研究は、入院している子どものグリーフワーク・サポートに関する構成要素を明らかにし、闘病仲間を失った子どもへのグリーフワーク・サポートプログラムの試案を作成することを目的とする。子どもたちは、入院中に一緒に闘病生活を送ってきた子どもが亡くなるという経験をしている。学童期は死の概念が大人と同様になる時期であり、ともに闘病生活を送ってきた友人の死は、自らの闘病に関わる不安を引き起こすと考えられる。闘病仲間を失った子どもへのグリーフワーク・サポートプログラムを作成することで、子どもの闘病意欲の継続、成長発達への支援に貢献できる。 平成28年度は、これまで実施した調査内容から、「グリーフワーク・サポートに関する構成要素」を分析、検討した。まず、子どもが亡くなったときに闘病仲間に事実を伝えるときに考慮していた内容として、『子どもの条件』、『子どもおよび母親への配慮』、『伝えるための調整』が抽出された。また、闘病仲間が亡くなったことを伝えるときの課題として、[サポート体制]、[関わり]、[グリーフケアの必要性]が抽出された。入院中の子どもが亡くなったときに、闘病仲間に事実を伝えるためには、子どもの条件が整い、子どもおよび母親に対する配慮や伝えるための調整が行われることが示唆された。 現在、他施設への調査依頼を準備するため、所属大学の倫理審査を受け、承認された。他施設への調査を依頼中である。 初年度から引き続きアメリカでのグリーフケア研修会参加を希望していたが、今年度は研修会自体が実施されなかったため、実施されていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本における同じ病棟の子どもが亡くなったことを告げる取り組みをしている施設の看護師への面接調査を実施し、構成要素に関して分析、検討を行う予定であった。しかし、倫理審査の準備が進まず、実施にいたらなかった。倫理委員会の審査は終了しており、実施する準備をしている。また、これまでの調査内容を分析、検討しており、概ね構成要素は明確になってきている。 アメリカでのグリーフケア研修は、研修会自体の実施がなされなかった。そのため、アメリカでのグリーフケアの実態の把握を行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
1.他施設への調査依頼を行っているため、なるべく早く実施できるようにスケジュール調整し、取り急ぎ実施する。 2.アメリカでのグリーフケア研修については、現在、他の可能性を視野に入れて検討中である。計画時の研修以外でもグリーフケアに関する研修会開催に関する情報を集め、参加できるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
アメリカでのグリーフケア研修が開催されず、参加できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
別の団体でのグリーフケア研修会の予定を検討し、研修会への参加を行う。現在、日程調整中である。
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