近年、各学会の臨床の看護師による発表には「子どもの死について一緒に闘病生活を送ってきた子どもにどのように伝えるか」という内容が見受けられるようになってきた。これは、臨床現場で子どもの死について、同じ病棟にいる子どもとのかかわりの中で困難が生じており、この困難を乗り越えるための取り組みが行われていると考えられる。吉田ら(2012)は、これまでに看護師が死について尋ねられた際にどのような対応をしているかを明らかにしているが、グリーフワークに関する示唆はみられなかった。看護師が困難感をもっているということは、子ども自身も困難を抱えているといってよいであろう。子どもの健全な成長発達を支援するために子どもへのグリーフワーク・サポートができる環境を早急に整える必要がある。そのためには、グリーフワーク・サポートに関する構成要素を明らかにする必要がある。その結果を用いて、闘病仲間を失った子どものグリーフワーク・サポートプログラムの試案を作成する資料とする。本研究では、入院している学童期の子どものグリーフワーク・サポートに関する構成要素を明らかにすることを目的とした。 平成28年度、平成29年度は、「グリーフワーク・サポートに関する構成要素」を検討した。子どもが亡くなったときに闘病仲間に事実を伝えるときに考慮した内容として、「子どもの条件」「子どもおよび母親への配慮」「伝えるための調整」が抽出された。事実を伝えるための課題として「サポート体制」「関わり」「グリーフケアの必要性」が明らかになった。
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