研究課題/領域番号 |
15K11733
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
江本 リナ 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (80279728)
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研究分担者 |
筒井 真優美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 特任教授 (50236915)
川名 るり 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (70265726)
山内 朋子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (70460102)
太田 智子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (80711093)
吉田 玲子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (80735043) [辞退]
鶴巻 香奈子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (80616061)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高度実践看護師 / アセスメント / シミュレーション / 包括 |
研究実績の概要 |
これまでの実績は、小児看護における高度実践看護師の包括的アセスメント育成プログラムを検討する上で、包括的アセスメントの一部である身体的アセスメントに焦点を当てた。子どもを受け入れる医療施設において、子どもの症状を見逃さず医療者間で情報共有する必要があるが、実際には、0歳から思春期の子どもまで幅広い年齢であること、さまざまな状況が予測されることから高性能小児シミュレーターを用いたシミュレーション教育法を検討した。 シミュレーターを用いたさまざまな状況で対応を学べるよう、シミュレータープログラミングを構築するため、①シミュレーターで可能な学習を学ぶ②シミュレーションプログラムを体験する③プログラミングの方法を学ぶ④シナリオを作成する計画を立案した。 小児看護専門看護師および専門看護師教育課程で学ぶ大学院生が、高性能シミュレーターを使った研修とアセスメントを体験し、シナリオ検討に参加した。この結果、臨床経験のある看護師の視点により、状況に応じた身体アセスメントをするために必要な要素や医療者間での情報共有の仕方が見出された。 2019年度は、これらの視点を踏まえ、子どもの身体、生活、発達、生育環境、家族などの視点を含めたアセスメントの枠組みをつくり、教育方法を提案することを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
包括的アセスメント育成プログラムの構築を目指し、1年目は入院施設、地域のクリニック、入所型施設などの看護師からヒアリングを行い、地域で暮らす子どもと家族を包括的にアセスメントする枠組みを提示することができた。2年目はアセスメント能力向上のための教育方法を検討する上で海外において教育効果を挙げているシミュレーションに着目し、研修会を行い、方法と効果の検討を行った。3年目には、シミュレーション教育を方法論として教育プログラムに含めるため、シミュレーション体験とプログラミングを行う研修会を開催し、小児看護の臨床経験のある看護師と共にプログラムを作成できている。4年目には、これまでに得た知見について文献を元に検証することができた。しかし、包括的なアセスメント能力を育成する系統だったプログラムにはいたっていない。洗練されたプログラムにするには、更なる研究参加者からのプログラム実施後のヒアリングが必要であるため、進捗状況がやや遅れている
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、これまで検討してきた教育方法に加え、包括的にアセスメントする枠組みを包含できるような教育プログラムを検討する。そのため、子どもに関わる高度な実践知を持つ看護師に検討したプログラム実施後のヒアリングを行う。あわせて、基礎教育を終えた看護師が改めて包括的アセスメントを学ぶ上で必要な支援を聞きとり、プログラム開発を行う。 初年度にヒアリングを行った看護師は、地域で暮らす子どもと家族に携わるものであったが、複数の看護師がチームとなって看護を提供する組織に所属していた。しかし、看護師が2人以上配置されることが難しい保育所や養護施設などもあり、看護師には健康に育つ子どものアセスメント能力も求められている。最終年にあたる2019年度は、これらの包括した内容のプログラム開発を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究者の研究エフォートの変更により、いまだ包括的なアセスメント育成プログラムが系統だっていない。洗練された包括的アセスメント育成プログラムにするために、研究参加者からの更なるヒアリングをすること、得られた結果を学会等で発表し新たな知見を得ることが必要であるため、生じた次年度予算金は、謝礼、旅費として使用する計画である。
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