研究課題/領域番号 |
15K11741
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研究機関 | 近大姫路大学 |
研究代表者 |
西村 伸子 近大姫路大学, 看護学部, 教授 (90515800)
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研究分担者 |
高田 律美 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (20515803)
堀内 史枝 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50363247)
松原 裕子 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (60403820)
岡 靖哲 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (60419025)
松原 圭一 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (80263937)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 自律神経 / 睡眠障害 / 妊娠期 |
研究実績の概要 |
妊娠中には,不眠症,レストレスレッグス症候群,睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害をしばしば合併する.しかし,妊婦の診療において睡眠障害について問診されることは少なく,睡眠の問題を有しながらも,相談や治療につながらないケースも多い.妊婦の睡眠障害は,母体への身体的・精神的負荷となるが,胎児にも影響を与えうることから,治療が必要となる.さらに,妊娠期にはこれらの睡眠障害に対する薬物治療のオプションに乏しい現実がある.治療効果のエビデンスレベルは必ずしも高いとは言えず,客観的指標を用いた検討が求められている. 不眠などの睡眠障害が遷延すると,交感神経シフトによる睡眠の質的低下の身体的コンディショニングが形成され,不眠が慢性化し,血圧などの身体面への影響も起こりやすくなる.出産後に児の睡眠覚醒リズムが形成されるまでの過程においては,母親は児の睡眠覚醒に合わせた生活となることから,睡眠は量的にも質的にもさらに低下する.このような妊娠期から出産後の育児期までの長期間にわたる母親の睡眠の問題に対しては,妊娠中にスクリーニングと医学的アプローチを開始することが合理的と考えられる. 初年度の研究においては,妊婦に配布する睡眠問診票を作成し,睡眠障害をスクリーニングし,治療的介入を必要とする妊婦を有効に抽出する手法を確立するとともに,睡眠障害を有する妊婦における睡眠障害の程度を量的・質的に評価し,身体面への影響,特に自律神経指標についての生理的検討を行った.自律神経機能検査装置(TAS9 VIEW,YKC社製)にて安静時の脈拍測定を行うことで得られる各種自律神経パラメータの本研究における有用性についても検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自律神経パラメータの測定機材の入手については予定通りに実施できているが,睡眠障害の評価,胎児の状態の評価を行うための機材について,当初予定の機材では期待する成果が十分に得られない可能性が考慮されたため,機種の再検討を行った.このため,一部の睡眠評価の実施開始に遅れを生じているが,2年度目において必要な検討を行う準備はすでに整えており,研究計画に沿って今後の研究を実施する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
初年度の検討を継続するとともに,症例の確保を進める.研究に同意が得られる妊婦が予定より少ないと想定される場合,あるいは継時的フォローにおいて脱落が生じるようであれば,対象者のリクルートについての対策も予定する. 機材の運用については,すでに運用している自律神経機材の効率的運用をすすめ,必要に応じて機材の補完,検査人員の確保について考慮する.
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次年度使用額が生じた理由 |
主たる研究機材のうち,睡眠評価に関連する物品の購入の一部,ならびに研究に関連する旅費の支出を次年度に行うこととなったため.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度において,初年度に当初予定していた一部の必要な機材の購入,関連する物品の購入,打ち合わせ,学会発表の旅費を使用する計画である.
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