研究課題
妊娠中には,睡眠の問題をしばしば併存する.妊娠に伴う生理的な変化に加えて,妊娠に伴う生活上のストレスなども睡眠の問題の背景となる.しかし,睡眠の問題を有していても,妊婦健診などにおいて睡眠について問診されることは少なく,睡眠の問題の現状について把握されることも少ない.妊婦の睡眠の問題は,母体への身体的・精神的負荷となる.不眠や睡眠習慣の不良が遷延すると,交感神経シフトによる睡眠の質的低下の身体的コンディショニングが形成され,不眠が慢性化することも想定されている.出産後に児の睡眠覚醒リズムが形成されるまでの過程においては,母親は児の睡眠覚醒にあわせた生活となることから,睡眠は量的にも質的にもされに低下することから,妊娠期の母親の睡眠の問題についての把握は重要である.初年度にスクリーニング方法として確立した睡眠問診表を用いて,妊婦健診を受診した妊婦を対象とした睡眠の問題を同定したところ,平均起床時刻は午前7時31分,午睡時間は一日平均35分で,就業していない妊婦が大半というバイアスはあるものの,睡眠習慣の特徴が示された.また,情報通信機器の使用時間は,テレビが一日平均4.8時間,スマートフォンが平均3.7時間であった.また自律神経パラメータは,妊娠期を通じてMSI(精神的ストレス度),PSI(身体的ストレス度)がともに高く,自律神経バランスは慢性ストレスもしくは疲労状態と判断され,妊娠期の慢性的な自律神経バランスの不良状態が示された.
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
母子保健
巻: 709 ページ: 6-7
不眠研究
巻: 2018 ページ: 印刷中
内科
巻: 120 ページ: 1037-1041
Schneller
巻: 110 ページ: 12-16