研究課題/領域番号 |
15K11747
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
鈴木 圭子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10341736)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高齢者 / 高齢者看護 / 生活機能 / 口腔機能 / 生活リズム |
研究実績の概要 |
1.要支援・要介護認定を受けていない65歳以上の地域在住高齢者を対象とした調査結果から、社会的孤立とその関連要因を分析した。日本語版Lubben Social Network Scale 短縮版(LSNS-6)を用いた評価では、社会的孤立を意味するとされている12点未満の割合は、26.3%であった。多変量解析の結果、社会的孤立には、性別(男性)、活動能力、経済状態、保健行動等が有意な関連性を認めた。介護保険サービス利用対象者以外の高齢者における、複数の健康課題の存在が示唆された。 2.介護老人保健施設を利用する要介護高齢者を対象に、生活リズムと口腔機能評価を含む関連要因に関する調査を開始した。生活リズムは、睡眠・覚醒リズム測定器(アクティウォッチ)による身体活動量の客観的指標と主観的指標、口腔機能評価は、嚥下・舌・音節の交互反復運動の各機能(反復唾液嚥下テスト,舌圧,オーラルディアドコキネシス)とし、その他の調査項目として、日常生活動作能力(ADL)、認知機能等を設定した。約30名の高齢者よりインフォームドコンセントが得られ、調査を実施した。引き続き調査対象の拡大を予定している。 3.大学生を対象とした調査結果から、生活習慣と口腔機能の関連を分析した。その結果、規則的な食習慣を持つ者、ファストフードを食べる頻度が低い者に嚥下機能及び舌圧値が高く、口唇運動には、笑う頻度、生活の主観的充実度、体育会系クラブの所属期間、嚥下運動には、インスタント食品の摂取頻度の関連が認められた。口腔機能と生活行動との関連は、青年期にも認められることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力を得た施設において、感染症の流行により一時的に調査を見合わせたものの、おおむね予定通りの研究協力者からの同意を得て調査を実施した。28年度はさらに調査対象を拡大し、調査を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
要介護高齢者の生活リズムと関連要因に関する調査において、施設入居高齢者の調査対象数を増やすと共に、一部の調査については対象を通所介護利用者にも拡大しデータを収集、分析する予定である。また、地域在住高齢者の生活機能維持に関連する要因の追跡調査の準備をする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
複数の備品の故障があったが、メーカー保証範囲内、または比較的安価な修理代で修理可能だったため、予算を抑えることができた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究対象を拡大する必要が出てきたため、調査に必要な消耗品、及び備品の修理代に使用する予定である。
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