研究課題
本研究の目的は、筆者らが開発した18項目版認知症高齢者おだやかスケール(Dementia elderly ODAYAKA Scale: DEOS、以下DEOS)の特徴と使用可能性を検討することである。はじめにDEOSの調査用紙を用いてプレテストを行った。高齢者ケア施設(グループホーム、デイサービス、訪問看護)において施設スタッフが利用開始からの状態変化やケア介入前後の効果をアセスメントしたが、対象者の病状や状態が変化していくため、ケア介入の効果として評価していくのは難しいことが明らかとなった。その後、本調査を実施し、14名の対象者に対してアロママッサージなどのケア介入や本人の強みを生かした役割や作業を提供して、2か月程度の変化をDEOSで評価した。アロママッサージの介入においては効果のばらつきがあったが、対象者本人の強みを生かした役割を提供することに関しては、DEOSの得点上昇を確認した。結果より、対象者が好む、その人らしさを生かした介入をすることが得点上昇につながっていた。また、施設スタッフからは、対象者の観察の視点を明らかにすることや状況を詳細に把握することに役立つとの意見を頂いた。本調査を通して、評価者からの質的な状況も含めて評価することで対象者のより詳細な状態を捉え、今後のケアに結び付けることに繋がることがわかった。今後さらに調査結果を分析して、臨床で具体的に活用できるような示唆を与えていきたい。
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