研究実績の概要 |
本研究は3つの調査から成る。調査①は「看護師のエンプロイアビリティ測定尺度試作版ver.1」を用いた介護保険施設等に勤務する看護師を対象とした調査、調査②は精度と実用性をあげた「看護師のエンプロイアビリティ測定尺度試作版ver.2」を用いた病院に勤務する看護師調査、調査③は調査②を実施した病院の看護管理者へのインタビュー調査である。 今年度は調査①の結果をさらに検討し、試作版ver.2の作成した。試作版Ver.2は「専門性を発揮する力」「ケアを追求する力」「職場でつながる力」「寛容な対応をする力」の4要素22項目で構成される測定尺度である。 この分析の一部を第5回日中韓看護学会(東京)で発表した(Takako Ushida:The Employability of Nurses at Long-team Care Services: Change by experiences, The 5th China Japan Korea Nursing Conference,Sep.2018,Tokyo,Japan)。この発表は、経験(年齢、看護職の通算年数、現職場の勤続年数)と4要素との関連を統計的に検討したものである。「専門性を発揮する力」「職場でつながる力」は経験が長くなるほど高くなるが、「ケアを追求する力」「寛容な対応をする力」は経験とは関係がなかった。すなわち、ケアを追求する力」「寛容な対応をする力」は看護基礎教育段階までに培われ、その後は変化せず保持される力であると考えることができる。また「ケアを追求する力」「寛容な対応をする力」は現場環境で自然には得られにくい能力であるとも考えられる。 また調査②・調査③の調査依頼先の再検討を行った。これは調査を予定していた病院が組織改編により協力不可能となり、新たな協力病院を探す必要が生じたためである。
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