研究課題
目的1.国内での調査については、THA患者の健康関連QOLについて、術後10年目は3月末現在で500名以上の調査票を回収済みであり、今後は解析予定である。術後7年目のQOLと患者の属性別に時系列変化を検討するため、自記式調査を郵送で実施した。調査にはEuro QOL-5D (EQ5D)、Oxford hip score(OHS)を用い、個人属性についても情報収集した。分析方法は各尺度について、術前と術後6か月、1年、3年、5年、7年における経年的な尺度の変化を反復測定と多重比較、年齢別3群(65歳未満、65-74歳、75歳以上)及び原疾患との関連は二元配置分散分析を行った。術後7年の有効回答者は940名だった。EQ5DとOHSは術前と術後3年までは有意に改善したが、術後3年と5年では変化を示さず、術後5年と7年では有意に低下した。EQ5DとOHS共に年齢群におけるQOLの経年的な変化のパターンは同じで、術後期間と年齢との間に交互作用は示さなかった。THAは高齢で手術を受けても患者側からみたアウトカム効果が高いことが明らかになった。一方、変形性股関節症によるTHA患者はOHSの術後評価のバラつきが少なく、大腿骨頭壊死などに比べ身体的QOLがよいことが示された。目的2.韓国でTHA患者に調査を実施後に、両国でのEQ5D、OHS及びライフスタイルを比較した結果、共に座式生活動作がQOLに影響していることが示された。多数例の国内縦断調査と韓国、中国とのQOL調査結果から、THA術後のデータベースを作成し、アジアのライフスタイル特有の問題を特定できた。今後は、これらのライフスタイル上の問題を簡便に検出できる評価尺度の開発が必要と考えられた。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
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