研究課題/領域番号 |
15K11757
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
田渕 康子 佐賀大学, 医学部, 教授 (90382431)
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研究分担者 |
室屋 和子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (50299640)
松永 由理子 (明時由理子) 佐賀大学, 医学部, 助教 (50612074)
武富 由美子 佐賀大学, 医学部, 助教 (20750342)
坂本 貴子 佐賀大学, 医学部, 助教 (90758426) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 要介護高齢者 / 認知機能低下 / アロマセラピー / 睡眠・覚醒リズム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、施設入所中の認知症高齢者に補完代替療法としてアロマセラピーを実施し、その有用性を生理学的指標・主観的指標・医学的指標を用い、総合的に評価することである。 介護老人福祉施設に入所している高齢者28名に対し、アロマオイルを付加した芳香浴と就寝前のハンドマッサージによる介入を行った。芳香浴は連日4週間、ハンドマッサージは毎週火・木・土の3回を4週連続行った。介入の評価は、介入前4週間、介入期間中の4週間の睡眠・覚醒リズム、介入前と介入後の認知機能、BPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia)の程度および重症度にて行った。睡眠・覚醒リズムはセンサーマット型睡眠計(パラマウントベッド社製・NN-1100:以下眠りSCAN)を用いて測定し、夜間の睡眠を評価した。 研究への同意が得られた28名のうち研究実施中に病院へ入院した者が4名,拒否した者が2名おり,それらの6名を除く22名を分析対象とした。年齢90.3±5.8歳,女性22名である。要介護認定は要介護3が6名,要介護4が10名,要介護5が6名である。対象者の中で認知症診断が無い者が7名,認知症診断がある15名だった。認知機能検査の結果では,MMSEを使用した者は14名であり,13名は認知症疑いがあると判定した。またNMスケールを使用した者は8名であり,全員重度認知症と判定した。睡眠薬を内服している者は9名,向精神薬を内服している者が4名である。認知機能検査MMSEが測定できた者は14名で,平均値14.8±4.7点であった。また,認知機能検査NMスケールを用いた者は8名おり,平均値5.0±5.3点である。BPSD精神症状評価NPI-NHの平均値は9.6±8.3点であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
芳香療法と就寝前のハンドマッサージを組み合わせた場合と、芳香療法のみの介入を比較した研究まで遂行することができた。4週間の長期介入での評価に取り組んだことで、ハンドマッサージを併用する介入効果が高いことが示唆された。データ収集は概ね完了し、現在、データ解析に取り組んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
22名は認知症の診断がついている対象者が15名、診断のない7名のうち6名は認知機能の低下がみられた。1名は認知機能は正常範囲内であった。また、睡眠薬や向精神薬を内服している対象者も含まれたことから、認知機能や睡眠へ影響のある内服などを考慮しながらデータ分析を行い、アロマセラピーの効果について検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度に実施した研究データの入力や解析の作業、成果発表等が残っており、平成30年度に人件費、旅費等に使用する予定である。
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