研究課題/領域番号 |
15K11758
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
末弘 理惠 大分大学, 医学部, 教授 (30336284)
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研究分担者 |
三重野 英子 大分大学, 医学部, 教授 (60209723)
宮脇 美菜子 大分大学, 医学部, 助手 (10708514) [辞退]
和田 華子 大分大学, 医学部, 助教 (60779479) [辞退]
森 万純 大分大学, 医学部, 助教 (60533099)
井上 加奈子 熊本保健科学大学, 保健科学部, 助教 (80634360)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 周手術期看護 / 後期高齢者 / 手術看護 |
研究実績の概要 |
本研究は、人生の終焉を生きる後期高齢者(75歳以上)の生きる思いを活かした手術を受ける後期高齢者のケアプログラムの開発を目的としている。 平成28年度は、まず、当初の計画以前に手術を受ける後期高齢者の概要を知る必要があると考え、某特定機能病院の手術をうける高齢者の実際について、カルテ調査を行った。平成28年の手術件数は5,474件、うち65歳以上の手術2,816件であった。入院し外科系診療科で手術をうけた患者は2,536人、入院せず手術をうけた患者は56人2.0%であった。入院して外科系診療科で手術をうけた患者の概要は、平均年齢75.2歳、入院期間21.2日、手術時間2時間50分1秒、緊急手術308人12.1%、麻酔方法は、全身麻酔1390人54.8%、局所麻酔758人29.9%、全身麻酔+硬膜外麻酔394人15.5%であった。診療科は、眼科533人21.0%、心臓血管外科396人15.6%、整形外科304人12.0%、次いで、腎臓外科・泌尿器科、消化器外科の順であった。術後ICU入室した患者は491人19.3%であった。前期高齢者と後期高齢者を比較すると、前期高齢者が後期高齢者より延長している項目が、手術時間(前期3時間7分>後期2時間23分)と入院日数(前期21.9日>後期19.4日)であった。一方、後期高齢者が前期高齢者より多い項目は緊急入院(後期171人>前期137人)、ICU入室数(後期254人>前期237人)であった。後期高齢者が前期高齢者より多い診療科は、眼科、心臓血管外科、皮膚科・形成外科であった。 前期高齢者は手術時間が長く侵襲の大きな手術を受けているが、緊急性やICU入室数は少ない。一方、後期高齢者は、緊急手術やICU入室数が多く、その背景には身体の予備力適応力などの低下が著しく、重症化や急に生命危機に陥りやすい状態と推測される。手術は部位や疾病、診療科などにより身体侵襲への差が大きく、意思決定や術後QOL等異なるため、今後の調査では、診療科・麻酔など対象を焦点化する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
・第1段階に実施予定であった、後期高齢者へのインタビューは、フィールドとの調整困難であったため、平成29年度に実施予定。 ・これに変わり、手術をうける後期高齢者の実態を知る必要性があったため、カルテ調査を行った。
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今後の研究の推進方策 |
・後期高齢者へのインタビューは平成29年9月までに実施する。 ・看護師への調査は平成29年12月までに実施する。 ・ケアプログラムの作成は、平成30年3月までに実施する。 ・平成29年4月より、研究分担者に新しい助手が加わったため、研究支援を受けることが可能となった。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画が遅れたため、人件費・謝金、調査にかかわる印刷・郵送料、交通費等がしょうじなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度では、調査をすすめるため、人件費、調査にかかわる印刷、交通費等に使用する予定である。
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