研究課題/領域番号 |
15K11762
|
研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
辻 玲子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (20644470)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 高齢者虐待 / 外来看護師 / 早期発見 / 認知症ケア / 多職種連携 / 看護間連携 |
研究実績の概要 |
1)7~8割が在宅で行われているオランダの認知症ケアの視察 「外来看護における高齢者虐待徴候発見・対応プロトコール」作成において、特に認知症がある高齢者の介護にかかわる家族支援、虐待の予防及び対応が重要となってくるが、その示唆を得るために、認知症ケアの先進国であるオランダのマネジメントやサポートをしている組織・機関の視察に平成29年9月17日~23日の期間でいった。視察した場所は、アムステルダムの在宅ケア組織 Buurtzorg , 認知症居住村 De Hogeweyk ,介護サポート機関 Markant , 在宅ケア組織 Madeliefje Thuiszorgの4か所である。De Hogeweykの高齢者虐待予防としては、コーチとよばれる人が抜き打ちでラウンドし、実際におきていないかみたり、認知症ケアのトレーニングをしているとのことであった。施設が広いので、常に虐待の抑止をしていっていることがわかった。またMarkantにおいては、高齢者虐待については、マントルケアの負担が重すぎて、ネグレクトや暴力につながってしまうケースはあるが、それは介護者の負担の範囲を超えているからで、わざとやっているわけではないとのことだった。だから、介護負担の3分チェック(介護者の負担が許容範囲かをみるために、カードにすべてやっていることを書き出してもらいチェックする)が大切である。許容範囲を超えていることを自覚してもらうことが大事であるとのことだった。さらにオランダにおいては、高齢者虐待を告発するホットラインがあり、また日常のテレビやCMでも高齢者虐待予防のことが流れているとのことであった。 今後、上記の視察の学びをプロトコール作成に際して反映させていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本来ならば、「外来看護における高齢者虐待徴候発見・対応プロトコール」の作成・修正まで終わる予定であったが、平成27年度からの進捗状況の遅れに加えて、平成29年度は半年間介護のため、当研究への時間を思うようにとることができず、プロトコールを完成させることができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の予定より1年間研究期間を延長し取り組むことにした。平成30年度は、早急にプロトコールの原案を作成し、エキスパートパネルを行い、連携研究者や老年看護のエキスパートなどの意見をもらい修正する。また、そのプロトコールに関して、実際に働く外来看護師の意見もいただき、現場に則しているものかを検証し、プロトコールを完成させる予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由)「外来看護における高齢者虐待徴候発見・対応プロトコール」が途中までしか作成できず、洗練するためのエキスパートパネルや外来看護師の方々に意見を伺うことの実施まで平成29年度は至らなかった。結果、会場使用料、交通費、参加者への謝金やテープリライト料、データ整理の人件費が発生しなかった。 (使用計画)計画が遅れ研究期間を1年延長したが、平成30年度は「外来看護における高齢者虐待徴候発見・対応プロトコール」案を早期に作成し、それを洗練させ、プロトコールを完成させる。
|