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2016 年度 実施状況報告書

在伯日系高齢者の心理社会的発達に関する縦断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K11764
研究機関横浜市立大学

研究代表者

服部 紀子  横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (10320847)

研究分担者 叶谷 由佳  横浜市立大学, 医学部, 教授 (80313253)
土肥 眞奈 (菅野)  横浜市立大学, 医学部, 講師 (50721081)
野村 明美  国際医療福祉大学, 成田看護学部, 教授 (10290040)
水嶋 春朔  横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (60281739) [辞退]
青木 律子  横浜市立大学, 医学部, 助教 (90290048) [辞退]
長田 久雄  桜美林大学, 自然科学系, 教授 (60150877)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード高齢者 / 日系人 / ブラジル / 心理社会的発達
研究実績の概要

ブラジル日系高齢者の心理社会的発達とその影響要因を縦断的に明らかにし、自我の統合の獲得支援に関する示唆を得ることを目的とし、平成28年度は、研究の趣旨を理解し同意が得られた65歳以上のブラジル在住日系高齢者に60分程度のインタビューと質問紙調査を行った。インタビュー内容は、居住環境、活動性、家族の日本語コミュニケーション能力、帰化意識、宗教などとし、エリクソン心理社会的発達目録検査や主観的健康感などを質問紙で調査した。対象者の選定・紹介はブラジル在住の日系医師の協力を得て、日系人対象の巡回診療健診の際に実施した。インタビュー内容は、質的機能的に分析し、心理的発達に影響する要因を探索した。その結果、高齢男性の心理社会的発達とその要因に関して、「人生への誇り」「家族の成長」「子どもへの知恵の伝授」などが心理社会的発達と関連していることが示唆された。また、「自分の死については考えたことがない」「死への準備を全くしていない」という特徴が明らかになり、高齢期になってもなお、前向きに過ごしていた。一方で、女性の対象者の中には子どもが成長し社会的に活躍し巣立っていってしまった寂しさを訴える者もいた。また、心身の加齢変化に伴い、日本への思いが強くなっている傾向がみられ、男女での違いがある可能性があった。そのため、男女別の分析を行っていくなど、今後さらに詳細な分析を進め、支援方法について考察する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度に引き続き、平成28年度もブラジル日系高齢者のインタビューおよび質問紙調査を10名に対して実施した。調査内容に関しては、居住環境、活動性、家族の日本語コミュニケーション能力、帰化意識、宗教など多様な要因に着目して分析を行っている。追跡調査に関しては、ブラジル日系高齢者は各地に点在して居住しており、本年度は対象者を増やすことを目的として実施していない。対象者数に関しても、高齢化により調査が難しくなっている高齢者もおり、可能な限り調査を依頼し実施している状況である。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、特に、平成28年度までに調査を実施した高齢者を対象とした追跡調査を実施する。そして、これまでに得られたデータから、移住高齢者の発達課題「満足できる人生」達成に向けた支援方法を提案する。また、学会等で成果発表を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

予定していた渡航期間が変更となり、渡航できる分担研究者および研究協力者に変更が生じたため。

次年度使用額の使用計画

ブラジルまでの渡航旅費に使用するとともに、データをまとめるための研究協力者謝金として使用する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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