研究課題/領域番号 |
15K11775
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研究機関 | 西武文理大学 |
研究代表者 |
大宮 裕子 西武文理大学, 看護学部, 准教授 (90604611)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | うつ伏せ姿勢 / 腹臥位 / 高齢者 / 介護予防 |
研究実績の概要 |
関東近郊のシルバー人材センターに登録している高齢者19名を対象に5月~11月までの6か月間、自宅で1日1回週3回以上、食直後を避けた時間帯に腹臥位~半腹臥位の間の楽な姿勢で15分~30分間休息をとってもらった。そして、月に1度、シルバー人材センター内にある活動室に来てもらい、身体柔軟性とバランス機能を測定し、「介護予防のための基本チェックリスト」を記載してもらった。そして、6か月間経過後に腹臥位実施の感想についてグループインタビューを行った。 データ分析は、腹臥位開始時と6か月後のデータをSPSS Ver20を用いてWilcoxonの符号付順位検定を行ない比較した。安楽に腹臥位を実施できた16名の高齢者は、身体柔軟性とバランス機能の双方が有意に改善した。「介護予防のための基本チェックリスト」は、統計的な有意差はみられなかったが、階段の手すりの使用にチェックをしていた6名のうち4名は手すりを使用しなくなった。また、終了時のグループインタビューでは、腹臥位が安楽だったという参加者は立位でのズボンの着脱が楽になったと話した。一方で、姿勢を検討しても頸部の違和感によって安楽な腹臥位が難しかった参加者が3名いた。 これらのことから、安楽な腹臥位を日常生活に継続的に6か月間取り入れることによって、高齢者の身体柔軟性やバランス機能の維持・改善につながることが示唆された。今後の課題として、安楽な腹臥位姿勢の保持についてさらに検討していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
身体柔軟性とバランス機能の改善は、運動面における介護予防に大きく関わっており、今回の研究でうつ伏せ姿勢における身体柔軟性・バランス機能の改善が示唆できたため。
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今後の研究の推進方策 |
安楽なうつ伏せ姿勢が実施できるための方策について探求する。特に頸部のポジショニングに困難なケースがみられたので、安楽なうつ伏せ姿勢をとるために必要な枕などについて検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外の介護予防状況やうつ伏せ姿勢に関するケアの状況についての研修・学会参加を予定していたが、日程調整が難しく行けなかったので、今年度は日程を調整して参加する予定である。
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