研究課題/領域番号 |
15K11781
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研究機関 | 梅花女子大学 |
研究代表者 |
吉田 さとみ 梅花女子大学, 看護保健学部, 講師 (90634634)
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研究分担者 |
造田 亮子 名寄市立大学, 保健福祉学部, 助教 (20552566)
河村 圭子 梅花女子大学, 看護保健学部, 教授 (30214274)
大島 加奈子 梅花女子大学, 看護保健学部, 助教 (50630654)
中平 みわ 京都光華女子大学, 健康科学部, 准教授 (90461970)
重年 清香 大阪青山大学, 健康科学部, 講師 (10637036)
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研究期間 (年度) |
2015-10-21 – 2019-03-31
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キーワード | 高齢者 / 手段的ADL / 不便さ / 便利社会 |
研究実績の概要 |
背景および目的:2030年には高齢者の半数近くは独り暮らしになることが推測されており、独り暮らしであっても自立した生活を送ることができるよう、高齢者の要介護の発生要因の一つである閉じこもりを予防する必要がある。近年、高齢者を取り巻く環境の変化は著しく高齢者にとってはその変化に適応できないことが更なる生活不安を生む可能性が推察できる。27年度の研究では、高齢者の自立した生活を阻むことに繋がる不便さの実態を明らかにすることを目的とした。 研究方法:大阪府および近郊、ならびに名寄市及び名寄市近郊の市町村に所在するコミュニティセンター・シルバー人材センター、サービス付き高齢者住宅、シニアカレッジ、地域民生委員を通じて研究協力が得られた高齢者59名に、60分~90分の面接調査を実施した。 面接調査では(1)外出への思い(2)外出中に起こったアクシデント(3)外出先での困難さや苦労(4)不便さの体験(5)外出中に老い(老化)を自覚した体験を中心に聴取した。面接調査は2016年2月~4月に実施した。なお、本研究は梅花女子大学の倫理審査委員会の承認を得た研究計画書に基づき実施した(承認番号:0010-0084)。 結果:面接調査を実施した対象者の基本情報については、性別は男性15名、女性44名。年齢は60歳代4名、70歳代38名、80歳代14名、90歳代3名。家族構成は独居28名、夫婦二人24名、夫婦と子供の三人3名、二世帯2名、サービス付き高齢者住宅2名。健康状態は慢性疾患に罹患し通院中48名。手段的ADL評価点は5点1名、8点2名、9点3名、10点5名、11点2名、12点15名、13点31名。外出頻度と目的はボランティアや趣味、高齢者大学などの習慣的活動で週に2~3回35名であった。デイケアおよびデイサービスを週に1~3回の利用者が11名、買い物は57名が週に1~3回実施していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
27年度に予定していた面接調査によるデータ収集を終え、データのテキスト化の段階に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
28年度は、27年度に実施した面接調査のデータ分析と行動観察調査を実施する予定である。 1)面接調査のデータ分析:質的分析により1)カテゴリーの発見2)カテゴリーの統合3)カテゴリーの構造化をおこなう 2)行動観察調査:近畿圏内と北海道の市町村に在住する高齢者を対象に、病院・スーパー、飲食店、金融機関、交通機関などを利用する際の行動観察、および高齢者へのインフォーマルインタビューを実施する。行動観察では、フィールドノートへの記録と写真やビデオへの撮影によるデータ収集をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
面接調査のデータをテキスト化するために入力業者へ支払う費用を計上していたが、面接調査の実施が2月から3月に集中したことから、データのテキスト化の費用が次年度に持ち越すこととなった。
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次年度使用額の使用計画 |
人件費・謝金(データ作成費用および分析のためのワークショップ、研究協力費用など)800,000円、旅費(学会・研修会参加および調査打ち合わせ)200,000円、その他(分析会議および調査費用など)90,000円
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