研究課題/領域番号 |
15K11782
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
山崎 尚美 (平木尚美) 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10425093)
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研究分担者 |
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
天木 伸子 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (40582581)
小野 幸子 宮城大学, 看護学部, 教授 (70204237)
坪井 桂子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (80335588)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 認知症高齢者 / グループホーム / 看護連携システム / 終末期ケア / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
平成28年度は、①文献レビュー②半構成的面接法による質的データ収集を行った。また、情報の共有および役割分担、研究計画の再考のための③科研会議を合計5回実施した。国内3カ所(兵庫県2カ所および和歌山県1カ所)のグループホームにフィールド開拓を目的として④施設見学および終末期ケアの実態についてヒアリングを行った。⑤看護系や認知症ケアに関連の学術集会等に参加し、最新の知見を情報収集した。海外訪問は、予定していた豪州の対応予定の看護師の都合により渡航が延期となり、再度の訪問計画は本務との日程調整が困難であったため中止した。しかし、台湾からグループホーム管理者を招聘して、終末期ケアに関する研修会を開催し、その内容を紀要に投稿してた。 ①文献レビューの結果は、平成29年度5月に日本認知症ケア学会において成果報告予定である。また、②半構成的面接法によるインタビューでは、国内9カ所のグループホーム(東京都3カ所、愛媛県1カ所、岡山県1カ所、愛知県1カ所、福岡県1カ所、和歌山県1カ所、宮城県1カ所)、合計17人の管理者および看護職(訪問看護師・看護師)にインタビューを実施した。得られたIC記録は逐語録化しており可視化可能な記述データとして現在、分析中である。③学外の分担者との科研会議の実施については、畿央大学、愛知県立大学、宮城大学およびインタビュー時に実施しており、データ収集方法について、分析の方向性について随時、検討している。学内の連携研究者、研究協力者との科研会議については、畿央大学内で1回実施するとともに、常時、情報交換を行い連携を図った④フィールド確保のためのグループホーム訪問については、兵庫県、和歌山県で実施したが、両者とも後のインタビューを実施または、次年度インタビュー予定のグループホームにつながっている。⑤学術大会においては、前年度の成果報告および最新の知見を情報収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度の進捗状況については、インタビューによる質的データ収集および全国調査の実施による量的データ収集を予定していたが、インタビューについては3カ所(兵庫県5月上旬・沖縄県5月下旬・北海道7月中旬)を残して9カ所のデータ収集が終了しており逐語録を分析中である。次年度のインタビュー予定のグループホーム3カ所においても、すべてアポイントが完了しておりインタビューの準備が整っている。国外でのインタビューは、台湾の雲林県からグループホーム管理者や職員を招聘し、研修会の開催および意見交換会を実施し、終末期ケアについての情報収集を行った。その結果については、畿央大学の紀要で研究成果の公表をしている。また、量的データ収集については、質問紙の構成内容およびグループホームにおける終末期ケアの質指標の作成過程であるため、遅れている。 他の進捗については、以下の通りである。 文献レビューは終了しており、次年度、日本認知症ケア学会において成果報告を予定している。学術集会等においては、2学会の学術集会において前年度の成果報告した。また、グループホームの終末期ケアに関する、殊にグループホームの看護師の役割についての成果報告内容を投稿し、継続して雑誌に掲載、全国に公表している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、質的データの分析および追加インタビュー(3カ所のグループホーム)を実施する。質的データからは、グループホームの看護職の役割について、現状と課題を明らかにする。そして、看護職が介護職と連携を促進するために必要な教育プログラムの構成要素を抽出する。 量的データ収集では、質問紙による全国調査の実施をおこない、教育プログラムの構成内容を把握し、看護職の立場からの現状と課題を把握のために量的データ収集を計画する。 また、グループホームにおける終末期ケアの質指標の作成を計画し、その指標を試用するために1年間の延長も視野にいれながらグループホームの終末期ケアに関する研修会を計画・実施する。グループホームの終末期ケアの質指標については、現在開発している老人保健施設の終末期ケア質指標を参考にして、認知症ケアおよび終末期ケアに精通した有識者によるフォーカスグループインタビューを実施し、デルファイ法を用いて分析し、作成する。 前年度、訪問中止になった国外の(Banksia Palliative Care Service Julie Paul氏)モデル施設調査に関しては、次年度に来日していただきセミナー等の実施により意見交換の機会を設定する。 研究成果の報告については、国内外の学会等で報告するために、質的データ(逐語録)の内容分析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度の予算に対して、全国調査の実施ができていないため、次年度に繰越金額か生じた。その理由は、質的データ収集のインタビューが3施設のこっているためと、質問紙の構成内容およびグループホームの終末期ケアの質指標の作成の実施が遅れているため、Melbourneへの渡豪が中止になったからである。 平成28年度には、本務以外の業務として、学術大会長の任を受け、6月25日26日に畿央大学において、学術大会を開催したため科研のデータ収集の遂行が遅れた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、全国調査実施に向けて質問紙の印刷・発送代金(返信含む)、また海外招聘講師の謝金・会議費、およびインタビュー実施時の交通費・宿泊費、逐語録作成に関する研究補助者の謝金支出、研究成果の公表にかかる経費として支出する予定である。 さらに、グループホームの終末期ケアの質指標の作成時の有識者の交通費および謝金として計上する。研修会の実施に関しては、教育プログラムの作成および教材作成のための経費、研修会運営費を計上する。
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