研究課題/領域番号 |
15K11798
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
松下 年子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50383112)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | SOC(首尾一貫感覚) / 看護管理者 / SOC向上プログラム |
研究実績の概要 |
本研究目的は、看護管理者を対象としたSOC(sense of coherence: 首尾一貫感覚)(以降、SOCとする)向上プログラムを実施し、その有用性を評価することである。研究意義は、SOCのコンセプトを指標に看護師の自律性や管理能力を掌握し、コンセプトを基軸としたキャリアデザインを発展し得る可能性を確認できることである。 したがって初年度である平成27年度は、看護管理者を対象とした研修会(介入)遂行に備えて、研修会のデザイン構築のため、他の看護管理者ないし看護師を対象とした研修会の視察および、SOC向上研修会に関連した文献検討等を実施した。すべて平成28年度の介入準備としての試みであったが、具体的には都内で行われている認定看護管理者コースの授業見学を行うとともに、研究対象となる候補病院を探索した。研究対象の選択要件は、関東および九州圏の、看護師配置7対1をクリアする500床以上の病院の看護部あったが、無作為抽出ではなくコンビニエントサンプリングとしたため、該当する病院を知人等を通じて探索した。 なお上記試みの結果であるが、認定看護管理者コースでの授業デザインは、講師の学生の主体性を徹底的に重視した内容が画期的であり、われわれの介入(研修会)デザインを描くうえで大変参考になった。看護管理者の主体性は一般看護師のそれと比較してパワフルであることは推察されていたが、看護管理者の遂行能力も非常に高いものであった。だからこそ看護管理者の自由度を保証した、看護管理者(受講生)の横の関係を促進する促しやファシリテーションが重要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度として予定通りに進捗している。研修会のデザイン構築のため、他の看護管理者ないし看護師を対象とした研修会の視察および、SOC向上研修会に関連した文献検討等を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は介入(看護管理者を対象としたSOC向上プログラムの実施)を行う。対象は、関東圏の病院8施設と、九州圏の病院1施設である。具体的には虎の門病院(東京)、東京西徳洲会病院(東京)、丸木記念福祉メディカルセンター(埼玉)、埼玉医科大学附属病院(埼玉)、埼玉医科大学国際医療センター(埼玉)、光の家(埼玉)、国立病院機構東埼玉病院(埼玉)、千葉徳洲会病院(千葉)、国立病院機構小倉医療センター(福岡)である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の介入、研修のデザイン構築のための研修視察に費用を要さなかったことから次年度使用額が生じた。本年度は介入(看護管理者のSOC向上プログラム)を9施設で実施することから、予定どおりの予算執行となる予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は関東圏と九州圏の9施設で介入とアンケート調査及びインタビュー調査等を実施することから、研究代表者の交通費等での支出が大きくなる予定である。
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