研究課題/領域番号 |
15K11806
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
川田 美和 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (70364049)
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研究分担者 |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
岡田 俊 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (80335249)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 自閉症 / 看護 / 教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目標は、成人期の自閉症スペクトラム障害(以下ASD)をもつ人とその家族に対する基本的な看護技術習得のための教育プログラムを開発することである。そのための基礎調査として、本年度は、看護師が成人期のASD者とその家族をケアする上で必要となる基本的な知識や支援技術を明らかにすること、さらにそれらを習得するために必要な教育内容や方法を明らかにすることを目的として、精神看護専門看護師へのインタビュー調査を実施した。 分析途中であるが、必要な知識や支援技術として、基本的な障害特性に関する知識、特性を踏まえたコミュニケーション力、特性に応じた環境調整力、障害特性と現象を結びつけるアセスメント力、障害特性のみに捉われない統合的なアセスメント力、成長発達を促すケア力、本人の生きづらさを理解する力、一人の人として寄り添う力、強みを現実社会で生かすための支援力が明らかとなった。必要な教育内容や方法として、ASD者の体験を共感的に理解できるような内容であること、特性のスペクトラム性について理解できる内容であること、様々なケースに対応できる内容であること、また、そのために、視覚教材の活用やロールプレイ等の演習を取り入れる方法が良いのではないかとの示唆が得られた。 今後、さらに対象者を増やして分析を深めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度、当事者へのアンケート調査、看護師へのアンケート調査も行う予定であったが、看護師へのアンケート調査については専門看護師の対象者数を増やした方が、より具体的な示唆が得られるのではないかと考えたこと、また、当事者へのアンケートについては、アンケート調査の前にインタビュー調査を行い、これまでの体験を丁寧に掘りおこす質的研究の必要性の検討を行うことが必要だと考え、計画変更を行ったことが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
専門看護師に対するインタビュー調査の対象者数を増やし、さらに分析を深める予定である。また、当事者へのインタビュー調査を実施し、各調査結果に基づき、教育プログラム案を作成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
見積もり額よりも安価で物品購入ができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度調査に必要な物品を購入予定である。
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