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2017 年度 実施状況報告書

レジリエンスの促進要因を取り入れた消防職員の惨事ストレスケアシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K11807
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

武用 百子  和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 臨床教育准教授 (00290487)

研究分担者 石井 敦子  和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (30405427)
早川 博子  和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 助教 (30722897)
山本 美緒  和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 助教 (40638128)
志波 充  和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (50178894)
鈴木 幸子  四條畷学園大学, 看護学部, 教授 (60285319)
池田 敬子  和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (60331807)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード惨事ストレス / 災害救援者 / 消防職員 / レジリエンス / セルフコンパッション
研究実績の概要

平成29年度は2つの調査を実施した。1つ目は、消防職員へのニーズ調査である。調査項目は、①過去の災害援助活動に関する事項、②惨事ストレスケアに関する事項である。対象者は、30代~40代の男性消防隊員6人であり、平均年齢は40±8.02歳、平均経験年数平均17.5±7.12年であった。個別のストレスケアに関するニーズは、【個別ケアニーズ】と【家族ケアニーズ】の2つのカテゴリーに分類できた。【個別ケアニーズ】は、<スクリーニング機能の効率化>、<相談窓口の設置>、<コーピングの強化>、<ピアカウンセリング導入の必要性>などのサブカテゴリーから成っていた。組織のケアシステムに関するニーズは、【教育体制の構築ニーズ】と【組織的支援体制の基盤強化ニーズ】の2つのカテゴリーに分類された。【教育体制の構築ニーズ】は<心理教育の充実><新人のストレスマネジメント教育の強化><シミュレーション教育の必要性>、【組織的支援体制の基盤強化ニーズ】は<非常時体制の構築><ストレスケアのための施設環境の整備><職場コミュニケーションの活性化><支援のネットワーク化>のサブカテゴリーから成っていた。
2つ目の調査は、災害救援者である消防職員の惨事ストレスに影響する要因、またレジリエンスを促進する因子を統計学的に検討することを目的とし、質問紙を用いた量的研究である。質問紙は、消防職員の属性とセルフ・コンパッション尺度、日本語版対人反応性指標、首尾一貫感覚尺度、IES-R、CES-D、SH式レジリエンス尺度の7種類で構成した。回答は和歌山県下の1330名の消防職員より回答があり、現在データフィックスを行っている段階である。今後統計的処理を行い、災害援助者のメンタルヘルスを保つためのストレスケアシステムを検討する。
また、消防職員のための惨事ストレスケア初級コースに県下の消防職員3名を派遣した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成29年度は2つの調査を実施した。1つ目は、消防職員へのインタビューによるニーズ調査である。ニーズ調査については、データのカテゴリー抽出を終え学会発表および論文登校準備をしている。
2つ目の調査は、災害救援者である消防職員の惨事ストレスに影響する要因、またレジリエンスを促進する因子を統計学的に検討することを目的とし、質問紙を用いた量的研究である。回収された全ての調査を入力しデータフィックスを段階である。データフィックスが終了すれば、今後量的研究結果およびニーズ調査の結果を併せて和歌山県下の消防職員対象に開示し、和歌山県下独自の惨事ストレスケアシステムについて検討をしていく。およそ6ヶ月程度の遅れであるが、本研究を完遂するには特に問題はない遅れである。

今後の研究の推進方策

平成29年度に実施した調査については、現在学会発表および論文投稿の準備をしている。ニーズ調査について、第20回日本災害看護学会にエントリーし、発表後は論文投稿予定となる。また量的研究については、第38回日本看護科学学会にエントリー予定で進めている。
本研究の目的は、災害救援者である消防職員の惨事ストレスに影響する要因、またレジリエンスを促進する因子を統計学的に検討し、精神看護学の視点から消防職員の心的外傷の形成を予防し、精神の健康状態を保つための和歌山県独自の惨事ストレスケアシステムを構築することである。今年度は以下の流れで本研究を進めていく。①システム構築のための基礎資料が整ったことから、その結果を開示する講演会を実施すること(2018年10月予定)。②基礎資料をもとに消防長会、行政、メンタルヘルスを扱う専門家で和歌山県独自の惨事ストレスケアシステムを検討する会議を数回持つこと(2018年10月及び12月予定)。③本調査の報告書を今年度末に刊行し、県下の消防署および関連部署に送付予定。④平成29年度に惨事ストレスケアの初級コースに3名を派遣したが、平成30年度もその派遣を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度に実施予定であった調査が平成29年度にずれたためである。ニーズ調査については、和歌山県下の消防署まで交通費、質問紙調査について質問紙の製本代およびデータ入力費、郵送料が今年度に計上されたため、当初の予定額より使用額が上回った。
さらに、東京で開催された消防職員の惨事ストレスケア初級コースに和歌山県下の消防職員3名を派遣した。3名の受講料および2泊3日の旅費が計上されたことも使用額が上回った理由である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] レジリエンスの促進要因を取り入れた消防職員の惨事ストレスケアシステムの開発2018

    • 著者名/発表者名
      石井敦子、武用百子、池田敬子
    • 学会等名
      日本災害看護学会第20回年次大会

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公開日: 2018-12-17  

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