研究課題/領域番号 |
15K11808
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
梶谷 みゆき 島根県立大学, 看護学部, 教授 (00280131)
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研究分担者 |
林 健司 島根県立大学, 看護学部, 講師 (10462037)
加藤 真紀 島根県立大学, 看護学科, 准教授 (70331816)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 脳血管障害 / 家族機能 / 情緒的安定 / 看護介入 |
研究実績の概要 |
回復期脳血管障害患者と家族(本研究では配偶者)を対象として、彼等が発症直後の混乱を早期に脱し、主体者として療養生活が営めるよう、看護者としてこの時期の関与の在り方を提言したいと考えている。 FAD(家族機能評価尺度:Family Assessment Device)を用いて、回復期脳血管障害患者と配偶者26組に対して、脳血管障害発症から2か月程度経過した時期の家族機能を調査した。26事例におけるFADの7つの下位尺度(問題解決・意思疎通・役割・情緒的反応性・情緒的干渉・行動制御・全般的機能)の各平均値をKruskal-Wallis検定で比較した結果、情緒的反応性の得点が高く、家族機能の低下が認められた。また、対象の背景による群間比較を、Mann-WhitneyのU検定で行ったところ、患者と配偶者の年齢が若いほど、FIMによる身体機能が高いほど、夫婦2人世帯より他の同居家族がいる世帯の方が、発症からの日数が長いほど、FAD得点が高く、家族機能の低下が認められた。 回復期脳血管障害患者と配偶者の情緒の安定化を図る看護介入の重要性を確認した。また家族の背景により、脳血管障害発症による家族機能への影響には特性があることが推察された。 現在、上記の結果を踏まえ、患者と家族に対する介入プログラムの介入手順や面談時のインタビュー内容の再検討を行い、プログラムの精度の向上を図っている。特に患者と家族が自らの家族の強みを自覚し、療養生活への自信が持てるための介入内容について具体化を図っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初考えていた面談を中心とする介入手順の具体性・統一性を再度検討し、精度を高めているため
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度前半に介入プログラムの精度の検討を終え、後半よりプログラムを用いた家族介入事例の蓄積を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果の公表のための学会発表の出張旅費が、研究代表者1名であったため減額された。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度、データ収集のための旅費や論文執筆のための費用(投稿料や別刷代金)として充当する。
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