研究課題/領域番号 |
15K11809
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
石橋 照子 島根県立大学, 看護学部, 教授 (40280127)
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研究分担者 |
松谷 ひろみ 島根県立大学, 看護学部, 助教 (10642655)
和田 由佳 島根県立大学, 看護学部, 助教 (70533826) [辞退]
金城 祥教 名桜大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00205056)
大森 眞澄 島根県立大学, 看護学部, 准教授 (20437552)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | エンパワメント / 患者参画型糖尿病教育 / 精神障がい者 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
平成27年度から4年間の計画であり2年目が終了した段階である。1年目は,これまでの研究結果から,糖尿病の自己管理ができるよう精神疾患患者向けの教育方法と,エンパワーを支援する関わりを統合し,参画型糖尿病教育プログラムとして設計し,実践を開始した。2年目は,精神疾患患者で糖尿病を併せ持つ精神科デイケア通所者10名を対象に実践を継続し,参画型糖尿病教育プログラムの評価を行った。 具体的には,集団心理教育の手法を用い,教育セッションとディスカッションセッションを組み合わせた糖尿病教室を開催している。学習テーマは,対象者が疑問に思ったり困っていることを取り上げる。例えば,自分たちの食事をデジタルカメラに納めそれを教材とするなど,学習内容の企画段階から加わるため「患者参画型」と命名し主体性を育んでいる。また,ポートフォリオ学習により,ファイルに綴じた資料やデータを時々俯瞰し目標設定を行うようにしている。月に2回のペースで教室を開催し1年以上継続している。 効果測定について,糖尿病自己管理に向けた行動変容の評価指標として,HbA1cの推移と振り返りの言動をモニタリングしている。エンパワメントについて,エンパワメント評価尺度やフォーカスグループインタビューのデータ,フィールドノーツの分析により評価している。 研究成果に関して,設計した参画型糖尿病教育プログラムについて専門学会において公表した。また,糖尿病教室に1年以上継続参加している者を対象としてエンパワメントプロセスを明らかにし,学会誌に公表した。併せて,分担研究者に依頼し,沖縄県において精神科デイケアに勤務する看護実践者らを対象にセミナーを開催し,参画型糖尿病教育プログラムの概要及び実践結果について報告した。 全国の精神科病院に隣接する精神科デイケアを対象として実施したアンケート結果については,学会発表を行い,現在論文投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
他の施設や他の人材により参画型糖尿病教育を実践できるよう複数回セミナー開催を計画していたが,1回セミナー開催できたのみであった。 実態調査に関して,分析が遅れていたが分析結果をまとめ,論文投稿できた。現在1回目の査読が終了し,再査読中である。 参画型糖尿病教育に関わるスタッフのエンパワメントを漸進させる関わりのスキルに関して分析中であり,次年度学会発表の予定である。
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今後の研究の推進方策 |
島根県内で複数回セミナー開催を計画しており,研究参加施設を募って行く予定である。併せて,参画型糖尿病教育に関わるスタッフのエンパワメントを漸進させる関わりのスキルについて論文投稿の準備を進める。 また,参画型糖尿病教育プログラムの手法や関わるスタッフのスキルなどを糖尿病以外の精神障がい者の支援に応用を試みる予定である。
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