研究実績の概要 |
既存の褥瘡重症度予測スコアに含まれる各種測定項目の妥当性を検討し、今回の研究に用いる新規測定項目を洗い出した。その結果、ガラス板圧診法、局所の圧力、軟部組織厚、真皮水分量、皮膚弾力、経費水分喪失、皮膚温などが有力指標候補であることが分かった。パイロットスタディとしてこれらを健常人で測定して測定を標準化した。 高知県内の介護施設入所者を対象に、前向き研究で上記指標項目を測定した結果、メグザメータによって得られた紅斑が褥瘡発症の早期指標になることが分かった。本研究の結果は現在論文準備中である。 高知県内52箇所の訪問看護ステーションに利用者の褥瘡に関するアンケートを実施し、40ステーションから回答を得た。その結果、総利用者1,543人のうち48人(3.1%)に褥瘡があることが分かった。データは「高知県内における褥瘡を保有する在宅療養者の実態調査. 高知女子大学看護学雑誌42: 62-70, 2017」において公表した。 高知県内の中山間地域(遠隔地)から本研究機関へ各種データをオンタイムで転送できることを確認した。 高知県中山間地域の訪問看護ステーションから遠隔褥瘡アセスメントシステムの利用があった。本遠隔褥瘡アセスメントシステムでは、訪問看護師が直面する褥瘡症例について、本機関研究者がインターネットで相談を受け、アドバイスを回答した。インターネットを介した遠隔褥瘡アセスメントシステムであっても、スケールを写し込んだ添付画像があれば、DESIGN-R分類をすることは可能であった。症例によっては添付画像のみで診断するには限界があることもわかった。
|