研究課題/領域番号 |
15K11819
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
三村 洋美 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (30382427)
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研究分担者 |
古江 知子 (田村知子) 上智大学, 総合人間科学部, 助手 (00447137)
衣笠 えり子 昭和大学, 医学部, 教授 (10161522)
田村 由衣 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (20760383)
人見 裕江 岐阜聖徳学園大学, 看護学部, 教授 (30259593)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | EOLケア / 腹膜透析 / 在宅看護 / ケアパスウェイ / 看取り |
研究実績の概要 |
腹膜透析患者の看取りの実態を聞き取り調査し、専門職者にグループインタビューを実施して、ケアパスウェイの素案を作り出した。 看取りの実態としては、実際に自宅で看取られた事例は急変によるものがほとんどであると報告された。自宅での看取りを計画されていた患者でも、最終的には家族の希望で病院に搬入されて看取られる事例が多いと報告された。 加えて、グループインタビューを行った。結果、看取り期に入ったと判断された時点で、①患者の意向について情報を収集する。②意向について看護師、医師で共有化をして記録に記載する。③患者本人に確認の上、希望があればアドバンスディレクティブを作成する。④家族と医療者で、患者本人のアドバンスディレクティブについて共通理解できるような話し合いと臨終時の身体変化を説明する。3か月目に①患者の意向、またはアドバンスディレクティブの変更を確認をする。②家族に患者の意向、アドバンスディレクティブについて共通理解できるような話し合いと臨終時の身体変化を説明する。看取りに際して、①本人の意向、またはアドバンスディレクティブについて最終確認をする。②看護師の訪問回数、家族から看護師への連絡方法の取り決めをする。③医師へ連絡をするタイミングを教える。同時に看護師にも連絡をするように説明をする。④これから、患者がどのように臨終までの経過をたどるのかを説明する。⑤家族が患者にできるケアとして、体にふれて語り掛けることであることを説明する。看取り後、①死後の処置について説明する。家族が負担でなければ処置に入ることを勧める。②葬儀の準備に取り掛かるように提案する。看取り後①訪問して家族の頑張りを振り返って労う。②家族の健康管理について情報を提供する(喪失による病的状態が起こった場合に関して教えることが重要である)。 臨終後の家族のケアを誰がどのように担うのかということが新たな課題となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
グループインタビューの時期が昨年度から今年度にずれ込んでおり、さらに今年度は大学内の老年看護学領域の人員1名不足であったため、教育に費やす時間が多くなり、研究の遂行が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度のグループインタビューの結果から、パスウェイの内容と時期について素案を作ることができている。今後は、そのパスウェイをどのように運用するか、また、看取り後ケアをどのようにするのかを調査を通じて設定して原案を策定する必要がある。 その原案を使ってモデル地区で活用を開始する。延岡地区、東海地区、東京地区の3つの地区でEOLケアを実施し、ケースごとにケアパスウェイの評価を行う。バリアンスがある場合にはバリアンス分析を行う。また、バリアンスが生じた時点でその原因と考えられることをコメントするようにする。コメントに上がったものは、一つずつ検討をして、必要に応じて新たにケアパスウェイの事項として入れ込み、その活用状況をモニタリングする。
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次年度使用額が生じた理由 |
グループインタビューが遅れ、それにかかわる謝礼と旅費の使用がずれ込んだ。また、モデル地区3地区での実施をモニタリングするための旅費を算出していたが、出張できず使用していない。
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次年度使用額の使用計画 |
グループインタビューをさらに計画しているため、その経費として使用する予定である。最終年のため、モデル地区でのモニタリングが必須となる。さらにモデル地区に出向いて直接的にデータ収集を行う必要があるため、これまで以上の旅費が必要となり、それに使用する予定である。
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