研究課題/領域番号 |
15K11820
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
磯山 優 帝京大学, 経済学部, 教授 (10258931)
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研究分担者 |
王 麗華 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (20438774)
李 相和 埼玉学園大学, 経営学部, 教授 (70262839)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 訪問看護ステーション / ガバナンス / 設置法人 / 場のマネジメント |
研究実績の概要 |
平成27年度は、次年度以降の研究の基礎固めとして、様々な文献の収集及びそれを用いた文献研究を行った。訪問看護ステーションは、他の医療機関とは異なり、非営利組織であるにもかかわらず、株式会社のような営利追求を目的とした法人による設置が可能になっている。そのため、設置法人との間において、病院など他の医療機関とは異なるガバナンス構造であると考えられる。また、会計処理上においても、企業会計原則とは異なる病院会計準則に則りつつ、上で述べたような営利法人によって設置されている例も多数存在するため、病院と同等にとらえることには無理がある。そこで、本年度はいくつかの訪問看護ステーションを経営している医療法人の理事長および訪問看護ステーションの所長にインタビューを行うと同時に、その医療法人の財務諸表と、訪問看護ステーションの財務諸表を閲覧し、分析した。さらに、医療法人の理事長に医療法人の理事会のガバナンス構造についてインタビューした。そのインタビューの結果、及び、非営利法人のガバナンスに関する既存研究を踏まえ、研究成果を日本医療・病院管理学会第53回学術総会にて発表した。また、訪問看護ステーションは小規模な人間集団であることが多いため、そのような小規模な集団の職務特性を明らかにするため、「場のマネジメント」に関する文献研究を行い、その成果を『埼玉学園大学紀要』に発表した。さらに、分担研究者の李は医療法人会計の特殊性とその問題点について、日本医療・病院管理学会第53回学術総会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究成果を踏まえ、今後は予定通りに研究を進めていきたいと考えている。すなわち、今年度は昨年度の成果を踏まえて訪問看護ステーションの経営基盤強化のモデルを構築し、その妥当性を検証するために、全国の訪問看護ステーションを対象にアンケート調査を実施する。その際に、分担研究者の王が運営しているWebサイトを利用することで、当初計画よりも大規模な調査を実施し、より精確な調査をすることを目指す。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究として、本年度前半はこれまでの成果を踏まえた訪問看護ステーションの経営基盤強化モデルの構築、後半はアンケート調査を行い、その結果を踏まえてモデルの妥当性を検証することに全力を注ぐ。さらに、来年度は今年度の成果を踏まえ、モデルをより精緻に組み上げることに注力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
医療法人理事長とのインタビューについては、謝礼は必要ないと言われ、支払わななかった。また、外部に漏えいすると支障のある内容が含まれていたため、テープ起こしも自分たちで行った。さらに、当初インタビューを予定していた訪問看護ステーションの所長などの都合がつかず、インタビューを実施することができなかった。そのため、謝礼ならびにテープ起こし代等が発生しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は再度インタビュー計画を見直して、訪問看護ステーション所長らとのスケジュールを調整して確実にインタビューを行い、予定通りに予算を使用する計画である。
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