研究課題
1.「周産期うつ病予防のための地域母子保健・精神看護連携モデル」に基づいた介入と評価の実施:29年度に引き続き、「周産期うつ病予防のための地域母子保健・精神看護連携モデル」に基づいた介入および調査を行った。今年度は29年度から新たにモデルに加えた地域における妊婦への教育的支援(「マタニティスクール」)に重点を置き、質問紙調査によって評価した。「マタニティスクール」に参加し、研究協力に同意が得られた11名を対象に得られた結果を分析したところ、妊娠に伴う身体的変化・苦痛による心理的影響の大きさ、介入による不安の軽減と自尊心の向上への効果が示唆された。2.介入に携わった看護職を対象とした面接調査:地域母子保健において妊産婦を支援する看護職が、精神看護を専門とする者から教育的支援、コンサルテーション、心理的援助を受ける効果や意味を明らかにすることを目的として半構成的面接調査を実施した。対象は開発したモデルに基づいて介入を実施した看護職(保健師、助産師)7名で、得られたデータは質的記述的に分析した。分析の結果、教育的支援の中で精神看護の専門的知識および援助技術を具体的に学ぶことが実践に役立ったこと、メンタルヘルス・コンサルテーションを通して事例のアセスメントや具体的な援助方法に関する理解が深まったこと、また精神看護の専門家から支援を受けることが看護職の精神的負担や不安の軽減につながることが示されるなど、地域母子保健と精神看護が連携することの有用性が示唆された。3.研究成果の発表:得られた成果を関連学会で発表した。
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兵庫県母性衛生学会雑誌
巻: 27 ページ: 5-10
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