研究課題/領域番号 |
15K11841
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
川添 郁夫 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (80624741)
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研究分担者 |
則包 和也 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (00342345)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 統合失調症者家族 / 家族の困難 / カードゲーム |
研究実績の概要 |
本課題は、統合失調症者を地域で支援する家族へのインタビュー調査およびPAC分析によって得られた結果に基づいて、家族の抱える困難場面を明らかにし、困難場面への有効な対処行動を家族が獲得できるようなカードゲームを作成することである。 今年度までに、家族から収集したインタビューデータの分析結果から、家族が抱える困難場面を抽出し、困難場面毎、病期毎にカードゲームの項目内容を分類して作成を進めているところである。分析の結果、家族が抱える困難場面には、日常生活においては、安定して務められないこと、当事者の暴力への悩み、親と子の関係性への悩み、ひきこもり、等の問題があった。医療については、医師との関係づくり、退院を要求された時の対応、服薬継続、等の問題や制度の問題などがあり、多岐にわたって家族は困難を抱えていることが明らかとなった。 家族の抱える困難場面について得られた成果は、青森県精神保健福祉連合会講演会において患者家族会会員に対して講演を行い公表した。また、並行して調査した精神障害者のセルフスティグマと自己効力感との関係について結果を公表した。 現在は、データから家族が対処行動について効果的な学びが得られるカードゲームを作成している。家族が置かれた環境や病状の重さや、病期の違いによって困難場面は多岐に及ぶものの、多数の家族が対処行動について理解し活用できるゲームを精選しているところである。カードゲームの完成後には、精神保健福祉連合会の家族会会員を対象として効果の判定を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予め想定されたことであるが、家族のインタビュー調査から得られたデータを見ると、家族の困難場面の内容は多岐に及び、一家族であっても、病状の変化に伴って困難場面が変化していた。 多数の家族に共通し最大公約数となるカードゲームの項目内容を精選することに時間を要しており、作成したカードゲーム内容は、家族会会員に使用していただきながら、更に修正を加える予定であることから、更に相応の時間を要すると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
急性期や回復期の段階に応じたカードゲーム試案を作成し、複数の家族会に依頼して、会員に試行していただき、項目内容の修正を継続的に実施する。カードゲームの項目内容を精選し、完成したカードゲームを家族会会員に実施していただき効果を確認し、必要があればさらに修正を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
精神保健福祉連合会に参加する患者家族会会員を対象として、作成したカードゲームを実施していただき、カードゲームの項目内容の適正度や学習効果について調査を実施する事を想定して予算を計上していたが、カードゲームの完成が遅れたため、家族会会員を対象とした検証が実施できなかったため予算に差額が生じることとなった。 今後は、カードゲームを完成させた後、カードゲームの学習効果を判定するために、患者家族会会員を対象としてカードゲームを実施する際の会場費、謝金として使用するほか、結果を公表するための旅費に使用する。
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