研究課題/領域番号 |
15K11851
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
蒲原 真澄 宮崎大学, 医学部, 講師 (00468026)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 認知症 / サポーター / 地域 |
研究実績の概要 |
認知症一次予防教室に参加している方を対象に質問紙調査および客観的な認知機能の指標となるTDASを実施した。認知機能は認知症一次予防教室であることを踏まえ、MCIの症状であるやる気の有無、疲れ、物忘れ、怒りやすさ、将来への不安という5項目について、いつもそうである、頻繁にある、時々ある、全くないの4択で回答を得た。回答について「いつもそうである」は4点、「頻繁にある」は3点、「時々ある」は2点、「全くない」は1点と設定し、それぞれの合計点数を集計した。TDASの点数に関しては0~6点が「認知機能に問題なし」、7~13点が「MCIの疑いあり」、14点以上が「医療機関受診の必要あり」の指標に合わせて評価した。 対象は男性6名、女性20名で、平均年齢69.2±3.4歳であった。TDASの得点について0~6点17名、7~13点8名、14点以上1名であり、平均±標準偏差は4.7±3.7点であった。質問紙調査による自覚的認知機能の結果は、合計点7~13点の分布で平均±標準偏差は9.2±1.9点であった。相関係数は0.346で、右上がりに点が並ぶ弱い正の相関がみられた。教室参加者の認知機能について、TDASは点数のばらつきがみられMCIの疑いがある者の割合も低くはなかったもの、認知機能に大きな問題があるものはほぼおらず、教室に通うことで認知機能予防につなげようと考えている方が多くいることが考えられた。TDASと主観的認知機能では、右上がりに点が並ぶ、弱い正の相関にあり、これらから教室参加者はある程度自身の認知機能の低下を自覚していることが考えられた。 認知症を予防していくためには、対象者の食事や運動など日常生活状況を確認し、ニーズに合わせて支援していくことが重要である。また、対象者は認知機能の低下を自覚していることから、看護職者には対象者の不安を傾聴するなどの支援の重要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
地域において、認知症カフェの開催など認知症サポーターの活躍の場が多く開催されるようになっていること、認知症サポーターのフォローアップなどの機会が増えていることから計画の見直しが必要である。また、自身の教育活動とのバランスが必要である。
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今後の研究の推進方策 |
認知症サポーターや認知症予防に対する地域での取り組みについての研究を計画し、新たな視点を加えて、現在作成している調査票の修正、倫理申請書の作成を行い、倫理申請書の提出を行っていく。また、質問紙調査実施予定である都農町の認知症カフェの実施状況や認知症サポーターのフォローアップ教室の実施状況について確認し、認知症サポーター養成講座の開催および調査実施に向けて、調整や質問紙内容の検討を行い調査を実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用計画は、質問紙調査実施のための印刷や調査用紙等の文具、調査実施のための旅費や会議費として使用していく。また、分析のための統計解析ソフトの購入や調査結果入力のためのパソコンの購入を予定している。また、専門職からの指導も計画しているため謝金として使用する。
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