研究課題/領域番号 |
15K11851
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
蒲原 真澄 宮崎大学, 医学部, 講師 (00468026)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 地域 / 認知症 / 認知症カフェ / 高齢者 |
研究実績の概要 |
地域で生活する高齢者の認知症予防に関する認識と認知症サポーターカフェの運営に関する課題の抽出を行った。 地域在住の高齢者に認知症予防に関する認識と行動の実際についてインタビューを行った。日常的に運動教室に参加する比較的、活動的な70歳以上の高齢者を対象に、認知症に関する認識、行動のきっかけ、実際の行動について語ってもらった。高齢者は、年齢を重ねるにつれ心身の変化を意識し、認知症について考えるきっかけを有していた。認知症に対してはマイナスのイメージを持っており、認知症になり周囲に負担をかけたくないと思っているものの、元気なうちは、認知症への関心は薄いことが示された。地域在住高齢者にとって認知症に関する情報を得る機会は限られており、認知症について知ることにより、恐ろしさを感じていることが明らかとなった。日頃の活動(運動)や日常生活での取り組みが認知症予防につながることは意識していないが、人とのコミュニケーションや頭を使うことを大切にしたり、運動への取り組み、健康のための食事に取り組んでいることが明らかとなった。地域で生活する元気な高齢者に対し、具体的に取り組みとともに、現在の生活活動が認知症予防につながっていることを意識させていくことが重要である。 認知症カフェの運営者2名にインタビュー調査を行った。インタビュー内容は、認知症カフェを開催する目的や思い、運営において困難を感じたことである。地域住民や家族の認知症や認知症カフェに対する理解、住民を主体とした計画や運営、参加人数の不安定な状況やボランティアへの支援、参加者の多様なニーズへの対応に困難を感じていることが明らかとなった。認知症カフェの活動を継続していくためには、運営者同士の情報共有や課題を共有する機会が重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大により、各地域への往来が制限されていたことから予定していた量的調査から質的調査への変更を行った。また、新型コロナウイルス感染症拡大により、各地区の認知症カフェの開催が中止になっていたり、専門職等の会議もリモートであることから、調査内容の検討が必要であった。今後は、感染状況に応じて機会を図りながら、調査内容を検討し、実施していく。
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今後の研究の推進方策 |
県内の感染状況や県内独自の緊急事態宣言に合わせて、調査を実施していきたいと思う。新型コロナウイルス感染症拡大により、各市町村や地区での認知症カフェの開催や集いが中止になっていたり、認知症サポーター養成講座も行われていない状況があった。今後は、感染状況に応じて機会を図りながら、調査内容を検討し、実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、県独自の緊急事態宣言により各地域への往来ができなかった。そのため、量的な調査を予定していたが、実施が困難となり質的調査へ変更したことから、旅費や物品等の出費の必要がなくなった。また、新型コロナウイルス感染症拡大により、各地区の認知症カフェの開催が中止になっていたり、集いの場、認知症サポーター養成講座のが中止となった。専門職等の会議もリモートであることから、量的調査から質的調査へ変更した。今後は、感染状況に応じて機会を図りながら、調査内容を検討し、実施していくため、旅費や物品購入費、調査実施における人件費に使用していく。
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