研究課題/領域番号 |
15K11863
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研究機関 | 日本赤十字北海道看護大学 |
研究代表者 |
武澤 千尋 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 准教授 (50410204)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 農業従事者 / 市町村保健師 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、農業従事者の職場環境改善活動の実際を観察し、市町村保健師の活動内容が反映されるかという点を検証するため、北海道道東地域においてタマネギを生産する農場従事者4名(男性3名、女性1名)のインタビューの結果を分析した。 タマネギ農家では、作業内容が年間を通じて大きく変化するため、繁忙期と閑散期を一年間のスパンでとらえていた。作業負荷については、ここ20~30年間に、機械化による作業効率が劇的に改善し、現在はトラクターの運転など同一姿勢による腰痛を訴えていた。一方で、主に女性が担当する草取りなどの作業はあまり変わらず、けがや農薬使用などの危険がある作業でもあるととらえていた。特に、インタビュー直前に台風による水害を経験しており、これまでも自然の影響を受けながらやってきたとはいえ、予想もしない大きい被害に戸惑い、救済制度の限界を述べていた。また、農作業は家族単位で行われることが多いものの、収穫時や会議時にうちあげをするなどで、近隣とのつながりや収穫の喜びを意識する機会をもっていた。農作業の合間に間食をする習慣があり、食事の時間も農作業に応じて変化する。冬場の運動量が激減することが特徴であり、健康については、年齢とともに健康診断を受けることや体調を気にするようになり、身近に健康づくりの場があれば利用したり、関心があることを抽出した。 以上により、タマネギ農家の職場環境への認識と、自治体の健康診断や健康づくりへの取り組みがタマネギ農家にどのように認識されてかについて確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
農業従事者からのインタビューを続ける予定であったが、農業従事者の業務多忙の時期と重なり、協力が得られなかった。そこで計画を見直し、これまでの期間内に収集したデータを用いて、結果を統合させるべく試みているが、時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
現在、これまでの期間内に収集したデータを用いて、結果を統合させるべく試みているが、時間を要している。分析を完成させ、成果をまとめたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在勧めている分析のために必要な資料購入のための費用を使用したい。分析終了後の成果発表のために必要な、学会参加費、移動費用も平成30年度に使用する計画である。
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