研究課題/領域番号 |
15K11866
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
小野 若菜子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50550737)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 死別 / 都市 / 地域コミュニティ |
研究実績の概要 |
「都市部における死別を支え合う地域コミュニティ」というテーマでインタビュー調査を行い、2017年1月に日本公衆衛生看護学会でポスター発表を実施した。以下に概要を記す。 【目的】本研究では、都市部における死別を支え合う地域コミュニティがどのようなものかを探索し記述することとした。【方法】半構造的インタビューによる質的記述的研究であった。研究協力者は、都市部の1自治体管轄地域で、地域活動に携わり、近隣の死別の相談を受け、見守ったことのある住民、もしくは、公の施設等に勤務している職員であった。インタビューは、2016年5月から8月に実施した。質的記述的にインタビューの内容分析を行った。【倫理的配慮】本研究は、所属大学研究倫理審査委員会における承認を受け実施した。【結果】研究協力者は13名(住民6名,職員7名;女性12名、男性1名)、平均年齢は69.7(幅37-91)歳であった。都市部における死別を支え合う地域コミュニティにおいて、日々、【助け合う地域コミュニティの下地をつくる】【広くみんなの幸せを願いながら人とつながる】という『いざという時に助け合える地域コミュニティの形成』に取り組まれていた。そして、【療養中から本人・家族を支える】【葬儀等を通して故人を見送る】という『療養中から死までの見守り』がなされていた。『死後しばらくしてからの関わり』として、【遺族のその後の生活を見守る】【遺族の心情に添って関わる】ことがあった。【考察】地域コミュニティにおいて、長年の顔見知りの関係性が信頼関係に発展することで、近隣の死別を見守るという交流が生じることが考えられた。療養や葬儀の見守りを通して、近隣の人々がつながる機会になる。今後、住民や地域活動に携わる人々に対して、死別やその支援に対する啓発活動が重要になるであろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度、インタビュー調査を実施することができた。今後、専門職を対象とした全国質問紙調査を計画しており、計画書の作成が遅れている。理由としては、通常業務(教育活動等)の割合が増大してきていることの影響が大きいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
・2017年8月に、「死別を支え合う地域コミュニティ」について、専門職を対象とした全国質問紙調査を行うための研究計画書を本学研究倫理委員会に提出する。 ・また、合わせて、今年度内に、前年のインタビュー調査を学会誌に投稿することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、全国質問紙調査を実施する予定であり、調査委託費、郵送料等の経費が見込まれる。
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次年度使用額の使用計画 |
・調査委託費 ・郵送料
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