本研究は、フィリピン共和国ケソン市を調査地域とし、イースト大学、イースト大学付属病院と連携し、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成のためのアセスメント手法の開発を試みる。地域特性の分析には、ジオデモグラフィック手法を用い、国勢調査を含む人口社会データを活用し、行政区画内の肺炎の罹患率等の健康指標、医療施設のアクセスとサービス等の保 健医療属性を反映した地域特性の類型化を試みる。肺炎、糖尿病の罹患と地域特性との関連を解析し、リスクグループを特定するアセスメント手法を構築する。 これまでに、研究基盤データとして調査対象地域の行政区画をGISソフト(ArcGIS9.3 ESRI社)を使用し、デジタル化基盤地図の作成と健康指標と肺炎死亡率と罹患率の保健統計の属性入力を行った。国勢調査、社会経済統計データを用いて因子分析とクラスター分析による類型化を行い、ジオデモグラフィックスを作成した。さらにジオデモグラフィックスを用い、リスクグループの分析を試みた。一方、ヘルスサービスへのアクセシビリティの分析のためのフィールド調査を、イースト大学との協力のもと実施し、2017年度と2018年度にドナイメルダ地区とロドリゲズ地区の2ヶ所において実施した。
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