研究課題/領域番号 |
15K11874
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研究機関 | 四條畷学園大学 |
研究代表者 |
谷口 清弥 四條畷学園大学, 看護学部, 准教授 (40508660)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | メンタルヘルス不調 / セルフマネジメント / 介入研究 |
研究実績の概要 |
平成27年度に準備を整えた「セルフマネジメント支援プログラム」による介入を実施した。通院中のうつ病や不安障害などのメンタルヘルス不調者を対象にプログラム参加者を募集した。6月から翌年1月までに心療内科で3回、精神科クリニックで2回プログラムを実施し、25名の協力が得られた。プログラムは、1回2時間、3回からなり、メンタルヘルス不調の心理教育、自己理解、イメージセラピー、エンカウンターグループで構成した。 プログラムの評価として、質問紙調査とインタビューを実施した。質問紙は介入1ヶ月前と介入前、介入後、介入1ヵ月後の4回実施し、「治療のみの変化」「介入による変化」「介入後の持続効果」を比較した。インタビューは介入1ヵ月後調査の後に実施した。 介入前半の10名のデータを分析した結果、セルフマネジメントプログラム実施により、抑うつ気分の改善と自己効力認知の改善が認められ、セルフマネジメントに向けた効果が確認された。また、一部の参加者の記述から気分と認知にセルフマネジメントに向けた肯定的な変化があり、統計的分析結果が参加者の主観からも裏付けられた。 対象者が精神疾患を有する患者でリクルートには困難を要したことからも、得られた結果は貴重な資料となりうる可能性がある。また、疾患ベースの教育ではなく、メンタルヘルス不調として共通する内容を精選し、セルフマネジメントプログラムを構築したことに今回のプログラムの意義があると考える。今後、質的データも含めたすべての結果からプログラムの評価・修正を行なう予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2施設の協力を得て、プログラムを5回にわたり実施することができた。研究協力者は目標の30名には達しながったが、25名の協力が得られるなど、おおむね研究計画を順調に進めることが出来た。 また、4名の研究協力者とよいチームワークでプログラムの運営を行なうことができた。 研究資金についても余裕を持ちながら、計画的に使用する事が出来た。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度の計画として、従来は「縦断的評価を得るため,3か月後,6か月後に質問紙による調査を実施する。フォローアップが必要と認めた対象者には,ケースに応じた内容で介入する。」としていた。しかし、対象者が精神疾患を患っている患者であることから、長期の研究協力への負担を考慮し、調査は介入1ヵ月後までとした。また、質問紙調査終了後に実施したインタビューの場でフォローアップを兼ねた。そのため、平成28年3月でデータ収集を終えた。 平成29年度は、質的データも含めたすべての結果からプログラムの評価・修正を行なうとともに、研究成果を国内外に公表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入計画でプロジェクターを購入予定であった。プロジェクターは介入で使用予定であったが、参加者が少なかったため使用しない方法に変更したたため購入していない。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は、国内外で研究成果を発表していく予定である。その際、研究協力者4名もそれぞれのテーマで発表予定であり、学会参加費、交通費、宿泊費が予定よりも大幅に増額する。そのため、今年度使用額と次年度使用額を合わせて使用する予定である。
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