研究課題/領域番号 |
15K11886
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
大川 貴子 福島県立医科大学, 看護学部, 准教授 (20254485)
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研究分担者 |
高橋 紀子 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20434772)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 被災地 / 高校生 / アルコール関連健康問題 |
研究実績の概要 |
被災地では飲酒量が増加する傾向にあること、災害前のアルコール問題が災害によつて再発したり悪化することは明らかとなってており、アルコール問題に対する取り組みを強化する必要性が指摘されている。震災が、高校生の飲酒行動に影響を及ぼすか否かの検討を要すると同時に、家族内に飲酒問題を抱える人が存在する高校生の割合が増加する可能性も考えられ、そのことによる影響を受ける危険性についても念頭におかなければならない。そこで、東日本大震災による被災地に立地する高校の生徒を対象に、飲酒行動の実態および家庭内における飲酒問題を明らかにすることを目的に、調査を行なた。 被災地7校に通学する全学年の生徒2241名を対象に調査票を配布し、1946名(86.8%)から研究同意が得られた。その内1915部を有効回答とし、分析した。その結果、飲酒を経験したことがあると回答した人は、312人(16.3%)であつた。震災による近親者との死別の有無による飲酒率の差はみられなかったが、原発事故により現在も避難先で生活している人の飲酒率はやや高い傾向にあった。また、家族について飲酒に関する問題があると思うと答えた人が177人(9.2%)であり、家族の飲酒問題について悩んでいる人が141人(7.4%)存在した。飲酒率については、他の地域と比較して高値ではなかったが、家族の飲酒問題を抱えている生徒があり、支援体制を整えていく必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に計画していた実態調査を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本実態調査の結果を踏まえ、高校生を対象としたアルコール健康問題に関する予防的介入方法の検討を行なっていく。今年度については、DVD等の教材作成やグループを用いた介入の可能性について検討をすすめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
データの入力および集計を委託した業者からの請求額が予定していた額よりも少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度予定している教材の作成に充当する。
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