研究課題/領域番号 |
15K11886
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
大川 貴子 福島県立医科大学, 看護学部, 准教授 (20254485)
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研究分担者 |
高橋 紀子 福島大学, その他部局等, 特任准教授 (20434772)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高校生 / アルコール / 被災地 |
研究実績の概要 |
東日本大震災の被害地に立地する高等学校の生徒を対象に、飲酒行動の実態および家庭内における飲酒問題を明らかにすることを目的に、7校を対象にして、平成27年8月~9月に、高校生2241名に対して調査票を配布した。本年度は、有効回答とした1915部の分析を行なった。その結果、今までに飲酒の経験があると答えたのは、312名(16.3%)であり、原発による被災状況別に飲酒の経験をみると、避難の経験なしの生徒では16.3%、一時避難したが現在は自宅で生活している生徒では15.5%が経験ありと答えているのに比べて、現在も避難生活を継続している生徒では21.7%が飲酒の経験があると答えており、飲酒率が高い傾向にあった。家族や親戚との死別の有無で比較すると、死別の経験なしの生徒では15.2%が飲酒の経験ありとし、死別の経験ありの生徒では18.2%が飲酒の経験ありと答えていた。酒の入手方法および初めて酒を飲んだ理由についてみると、親に許可を得て酒を入手し、親や兄弟に勧められて飲んだ生徒が多数いることが明らかとなった。また、周囲の人々の飲酒についてどのように思っているのかを質問したところ、家族に飲酒問題があると思うと回答した人が9.2%、家族の飲酒問題に関する悩みがあると回答した人が7.4%いた。 上記の結果をもとに、生徒に対して集団教育とグループアプローチを行なっていくことを検討した。集団教育をするにあたっては、高校生用のDVDの作成を計画し、その内容について検討を行い、作成プロセスにおいて高校生に関与してもらう形での作成を試みることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教材とするDVDの作成にあたり、高校生への協力を呼びかけ、より教育効果の高い内容のものにすることを企画した。そのため教育機関との連携が必要となり、調整に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
高校生に対するアルコール健康問題を予防するための教育を推進していくために、集団教育に向けてのDVDの作成を行い、それを用いた教育を展開して、評価を行なう。また、小グループによる教育方法を計画し、試行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
DVDの作成が業者委託する段階に至らず、委託費が支出されなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
29年度において、DVD作成の業者委託を行い、委託費として支出する。
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