研究課題/領域番号 |
15K11889
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
細谷 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (60334182)
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研究分担者 |
佐藤 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (80283555)
雨宮 有子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (30279624)
石川 志麻 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (50598919)
宮澤 早織 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (80749557)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 地域づくり / 共助 / 災害 / 行政保健師 / 住民主体 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、災害時の共助を意図した住民主体の健康な地域づくりを支援する行政保健師の戦略を明らかにし、それを基に活動指針を作成することである。 本年度は、<段階1>の文献調査を行った。「共助」、「地域づくり」、「ソーシャルキャピタル」、「コミュニティ・エンパワメント」に関する理論的背景および概念を整理した。この中で、「地域づくり」について、日本における保健師による地域づくりに関わる実践には3つのタイプ、すなわち、①保健事業の創出と発展を通して行われるもの、②住民組織による地域活動への支援を通して行われるもの、③健康課題をもつ個人への支援を通して行われるものがあることを整理した。 「住民主体の地域づくりを支援する行政保健師」に関する既存知見の統合の結果、本研究における概念枠組みとして、以下を設定した。すなわち、「地域づくりの主体は当時者、周囲住民、保健師、関係職種等関わる全ての人である」、「地域づくりは、地域全体や将来を見据えた住民主体の支え合いをねらうものであり、予防効果やシステムとしての効率を踏まえたしくみづくりである」、「地域づくりの構成要素には、保健師個人の要素と、住民個々への支援、住民組織への支援、住民個々と組織、組織と組織をつなぐ支援、住民の活動を下支えする事業化・施策化、これらを展望して活動を推進させる活動がある」、「地域づくりを意図した保健師活動の構造として、住民の理解や信頼を得ながら個々の主体性を高める支援と関係機関や行政内部との協働関係づくりを基盤とし、住民活動への支援や保健施策の推進および住民や社会資源をつなぐ支援が行われ、先に示したねらいの達成をめざしている」である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、<段階1>の文献調査について、「住民主体の地域づくりを支援する行政保健師の活動」に関する調査を終了し、The 3rd KOREA-JAPAN Joint Conference on Community Health Nursingおよび日本地域看護学会第19回学術集会に演題登録・採択され、平成28年度に発表の予定である。また、「災害時の共助に関する住民活動」に関する文献調査の結果を現在まとめている。今後の調査を論理的かつ円滑に進めるため、概念枠組みの設定および研究組織内での合意形成が重要と考え、時間を要したため、研究の進捗が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
<段階2>住民組織調査、と<段階3>保健師対象先行面接調査について、研究者間で分担し、今年度前期に同時進行で実施する。続けて、<段階4>の郵送質問紙による全国実態調査を今年度後半から平成29年度前半にかけて実施するように計画を変更する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に実施を計画していた<段階2>住民組織調査、と<段階3>保健師対象先行面接調査について、<段階1>の調査の進行が遅れ、平成27年度中に実施できなかったため、当該調査の予算分が未執行になっている。
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次年度使用額の使用計画 |
<段階2>住民組織調査、と<段階3>保健師対象先行面接調査について、平成28年度中に実施を計画しており、当該調査の予算分の使用を予定している。
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