研究課題/領域番号 |
15K11889
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
細谷 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (60334182)
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研究分担者 |
佐藤 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (80283555)
雨宮 有子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (30279624)
石川 志麻 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (50598919)
宮澤 早織 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (80749557)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 地域づくり / 共助 / 災害 / 行政保健師 / 住民主体 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、災害時の共助を意図した住民主体の健康な地域づくりを支援する行政保健師の戦略を明らかにし、それを基に活動指針を作成することである。 本年度は、災害時要配慮者を支えるための住民組織の活動実態を明らかにし、災害時を想定して平常時から住民相互の助け合い機能を高めるための支援ニーズを検討することを目的に、住民組織を対象としたインタビュー調査を実施した。対象は、大規模な災害を経験していない地域で、災害時要配慮者を支えるための活動に積極的に取り組んでいる住民組織であり、10か所とした。 組織のある地域背景としては、昭和40年代頃に造成された住宅地で高齢化が進む地域、平成になってから開発され親子世帯も多い地域、中山間地域、沿岸部で津波被害が予想される地域などが含まれた。組織の活動開始のきっかけは、「阪神淡路大震災による共助の必要性の認識」や「東南海地震等の予測」、「意欲の高いリーダーの着任」などがあった。積極的に取り組んでいる活動として「命を守る隣組での安否確認の徹底」、「中学生とタイアップした避難訓練(要援護登録者への家庭訪問)」、「家具固定の支援を通した各家の防災マップ作り」などがあり、それぞれの地域特性やニーズに合わせた活動が展開されていた。防災に関する活動に連動して、高齢者の買い物などを支援するボランティア活動や、親子世代の勉強会、お茶飲みなどの親睦会、高齢者の介護予防の活動などが行われていた。活動推進に向けた課題としては「リーダーの後継者育成や支援者の確保」、「支援を拒む要配慮者の増加」、「日頃の見守りの推進」などが挙げられた。 また、災害時要配慮者の中で「発達障害児と家族」について、発災前および発災時における地域住民との関係によりもたさられる影響について文献調査により調べ明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究初年度(平成27年度)において、今後の調査を論理的に進めるために概念枠組みの設定および研究組織内での合意形成が重要と考え、<段階1>の文献調査について時間を要したため、研究の進捗が遅れている。平成28年度は、研究初年度に予定していた<段階2>の「住民組織対象面接調査」を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
<段階3>に計画していた保健師対象先行面接調査については、文献調査によって目的がほぼ達成されたため、計画を変更し、平成29年度は前半に<段階4>の郵送質問紙による全国実態調査を実施し、後半に<段階5>の保健師対象面接調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に実施を予定していた<段階4>の郵送質問紙による全国実態調査が未実施となっているため、当該調査の予算分が未執行になっている。
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次年度使用額の使用計画 |
<段階4>の郵送質問紙による全国実態調査と<段階5>の保健師対象面接調査を平成29年度中に実施予定であり、当該調査の予算分の使用を予定している。
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