研究課題/領域番号 |
15K11890
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
脇坂 浩 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80365189)
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研究分担者 |
清水 宣明 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70261831)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 感染制御 / 集団感染 |
研究実績の概要 |
2015年度に、1介護老人保健施設において環境表面の汚染度を調査した成果を論文にまとめ、感染管理看護研究会誌に投稿した。論文は受理され、感染管理看護研究会誌第6巻1号(2017年3月13日発刊)に「研究報告(題名:介護老人保健施設における高頻度接触表面の特例および環境表面の汚染度調査)」として掲載された 2016年8月~9月にかけて、三重県内の1介護老人保健施設と1特別養護老人ホームの職員を対象に、感染制御の実態についてアンケート調査を実施した。アンケート調査では、職員91名(回収率91%)から回答が得られた。感染症予防対策として、「手指衛生」「手指衛生に関連した習慣的行動」では、概ねどの場面においても高い実施率を示したが、フロアへ移動前後の手指衛生は3割から4割程度であった。ワクチン接種では、インフルエンザワクチン接種率は96.4%と高く、その他のワクチン接種率は6割に満たなかった。感染対策の研修に、定期的に参加する職員は5割程度であった。本調査結果をもとに、アンケートに協力頂いた施設に研修(2017年2月)を実施した。本調査結果は2017年度の日本環境感染学会総会の一般演題として発表する予定である。 1病院の高齢患者(透析患者)と職員を対象に、インフルエンザワクチン接種と予防投与について、過去の事例を分析して第47回日本看護学会の一般演題で報告した。また、同病院の高齢患者を対象に、薬剤耐性菌の感染伝播と終息させた経緯を分析して、第32回日本環境感染学会総会・学術集会の一般演題で報告した。高齢者介護施設における感染制御として、インフルエンザと薬剤耐性菌の集団感染時の感染伝播状況とその対策について、今後も調査を続ける予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年から2016年にかけて、1介護老人保健施設と1特別養護老人ホームを対象に、感染制御に関する実態調査を行い、高頻度接触環境の特定とその汚染度、感染制御に関する職員の認識と実際の行動について明らかにすることができた。また、その成果をもとに研修会を2回開催することができ、研修に対する反応も知ることができた。高齢患者における集団感染の事例を分析して、インフルエンザと薬剤耐性菌の感染伝播状況と有効な対策について検討することができた。 これらの成果をもとに、2017年3月より、介護老人保健施設と特別養護老人ホームを対象に、東海3県にフィールドを拡大したアンケート調査とインフルエンザの集団感染に関する疫学調査を開始することができたので、おおむね順調に研究を進展できていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在、2017年3月から5月にかけて、東海3県の介護老人保健施設と特別養護老人ホームの管理職と職員を対象に、感染制御の実態についてアンケート調査を実施している。加えて、2017年3月から6月にかけて、介護老人保健施設と特別養護老人ホームを対象に、インフルエンザの集団感染に関する疫学的調査を行っている。調査結果は、2017年9月までに明確にし、2018年3月までに分析を終えて公表の準備を行う予定である。 これらの成果を踏まえて、2018年度に高齢者介護施設の職員を対象にした感染制御の研修を開催する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
高齢者介護施設におけるアンケート調査とインタビュー調査は、2017年3月より開始したため、それにかかる経費の支払いが2017年度となった。
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次年度使用額の使用計画 |
高齢者介護施設におけるアンケート調査とインタビュー調査は、2017年3月から2017年6月まで行い、その後分析して、2018年2月に学術集会で一般演題として発表を行い、2018年3月までに研究成果を論文にまとめる予定である。
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