研究課題/領域番号 |
15K11890
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
脇坂 浩 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80365189)
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研究分担者 |
清水 宣明 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70261831)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | インフルエンザ / 集団感染 / 予防投与 / 手指衛生 |
研究実績の概要 |
A県の1特別養護老人ホームにおいて生じたインフルエンザのアウトブレイクの感染伝播動態の解析を行い、第44回日本看護研究学会学術集会(2018年8月19日)の一般演題で報告した(日本看護研究学会雑誌41(3);pp400)。高齢者介護施設におけるインフルエンザのアウトブレイクのパターンと効果的な感染制御方法が見いだせたため、2019年度に研究成果を論文としてまとめ、学術誌に投稿する予定である。 1病院において、高齢者のオムツ交換における手指衛生の観察調査を、第18回日本感染看護学術集会(2018年8月26日)の一般演題で報告した(第18回日本感染看護学術集会講演集;pp38-39)。本演題では、WHOの手指衛生ガイドラインを参考にした「オムツ交換における手指衛生のタイミング動画」を導入した結果、手指衛生遵守率は導入前23.5%から導入後59.6%へと向上した旨を報告した。しかし、「オムツを取り外し汚染された手袋を外した後」と「個人防護具を外した後」の手指衛生遵守率は50%未満であり課題となった旨を報告した。演題発表後に分析を重ね、論文を作成し投稿した結果、感染管理看護研究会誌(8(1);pp1-6)に実践報告(オムツ交換時の手指衛生遵守率向上に向けた動画教育の効果)として掲載された(2019年3月)。 1病院の2015/2016シーズンのインフルエンザのアウトブレイクのの感染伝播動態の解析を行い、論文を作成し投稿した結果、看護実践の科学(43(11);pp76-81)に研究報告として掲載された(2018年10月)。本論文では、インフルエンザの集団感染の要因には、ワクチンの接種状況と予防投与が大きく影響している旨を報告した。 これらの研究成果をもとに、高齢者介護施設を対象にした感染制御に関する研修会を5回開催することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2016-2017年度に、高齢者介護施設においてインフルエンザに対する感染制御の実態調査とインフルエンザのアウトブレイクに関する疫学調査を行い、分析まで終えている状況である。2018年度に、研究成果の一部を学術集会で報告できているが、全て報告できていないため、本研究期間を1年間延長することとした。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、高齢者介護施設におけるインフルエンザに対する感染制御の実態調査とインフルエンザのアウトブレイクに関する疫学調査を、成果報告として論文にまとめ、学術誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査は当初の計画通りに行え、結果は全て分析できている状況である。しかし、現在、研究成果の1部しか学会発表で きていない。また、研究成果を複数の論文として作成することが可能なため、1年間の期間延長が必要と考えた。よっ て、次年度に研究成果を学会発表と論文投稿(学術誌への論文掲載)に時間と費用を要するために、研究期間の延長を 申請した。
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