研究課題/領域番号 |
15K11892
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
大川 聡子 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (90364033)
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研究分担者 |
安本 理抄 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (00733833)
根来 佐由美 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (50508794)
上野 昌江 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70264827)
和泉 京子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (80285329)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 若年母親 / 妊娠期 / 家庭訪問 |
研究実績の概要 |
本研究では、申請者がフィールド調査を続けている若年母親グループメンバーを中心に妊娠期・育児期のニーズ調査を行う。加えて海外の若年母親訪問プログラムの情報収集を行い、若年母親のニーズを踏まえた妊娠期からの家庭訪問プログラムを開発する。27年度は、若年母親に対し妊娠期からの家庭訪問を行なっているアメリカにおいて情報収集を行うために、シカゴで開催されたAmerican Public Health Associationの年次大会に参加した。その際、若年母親の家庭訪問プログラムを行うLee Smithbattle教授と情報交換を行い、若年母親の家庭訪問プログラムで用いた資料の提供を受けた。 また、ニュージーランドで乳幼児期の母子の家庭訪問を中心的に担っているPlunket Nurseとして活動した経歴を持ち、現在はHawke's Bay地区の健康局で母子保健に関する施策の担当官であるNicky Skerman氏を日本に招へいした。招へい期間中に「支援が必要な母親に対する妊娠期からのかかわりを考える国際シンポジウム」と題した講演会を開催し、保健医療福祉従事者等105名が参加した。参加後のアンケートから、支援が必要な妊婦に関わる際の困難として、「連絡がつながりにくい」「コミュニケーションがとりにくい」といった本人との関係性の構築が困難であることや、知的・精神障害といった、本人が妊娠前から持っていた特性に関わる内容が挙げられた。一方でパートナー・家族等妊婦に関わる周囲の人々との協力関係の乏しさ、経済的問題も関わりが困難な理由として挙げられており、個人・社会的背景等多方面に関わりが困難となる要因があることが示された。これらの結果を踏まえて、若年母親との関係構築を促し、母親としての成長を支援するための方法について検討していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外研究者との情報交換は予定通り行われた。現在家庭訪問プログラムを実施する行政機関との調整を行っている。予定していたプログラムでは、全ての若年母親に妊娠期に3回の家庭訪問を行うこととしていたが、行政機関担当者との情報交換から妊娠期に本人に合う回数が限られることが予測された。このため訪問回数を一律に設定するのではなく、訪問時に伝える内容をプログラム化することで、より多くの対象者にアプローチしていきたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
上記に記載した訪問プログラムの内容について、若年母親は親としてだけでなく青年期として自分自身も発達途上にあることから、母親であることだけでなく、一人の女性として自立した生き方ができるよう、子どもだけでなく母親本人の成長を促すためのプログラムを構築していきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外共同研究者から家庭訪問に関する資料の提供を受けたことから、訪問プログラムの内容を再検討した。このため訪問プログラムの開発に時間を要し、今年度予定していた訪問従事者向けの研修会を実施することができず、翌年に繰り越すことになった。
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次年度使用額の使用計画 |
家庭訪問従事者向けの研修会の資料作成、印刷、研修会講師への謝金に使用する予定である。
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