研究課題/領域番号 |
15K11898
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
宮崎 有紀子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (00251190)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 身体活動 / 地方都市住民 / ライフスタイル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,地方都市における若年層~中高年層の身体活動量について把握し,年齢層やライフスタイルによる身体活動の特徴,環境要因との関連を明らかにし,地域やライフスタイルの特徴に応じた身体活動量増加・維持のための方策を検討することである. 平成28年度は地方都市であるA市に在勤する勤労者およびA市に在住する定年退職者等の高年齢者を対象に質問紙調査を行った.質問項目は,日常生活における身体活動,身体活動に関する意識・行動,地域環境認知項目,性別,年齢,身長,体重,職業,居住地域,現病歴,自覚的健康感等である. 勤労者では1990人中550人より回答を得た.勤労者の9割以上が車での通勤であり,仕事中6時間以上座っている人は4割程度であった.余暇時間の活動では,7割弱の人が中等度の生活活動,4割程度の人が中等度のスポーツ・運動を行っていた.高年齢者では604人中,341人より回答を得た.身体活動のうち歩行に着目すると,高年齢者の約9割が10分以上続けて歩くことがあり,そのうち約半数は歩行の頻度が週に5日以上であった.意識的に身体を動かしている人は,勤労者で約3割,高年齢者では約6割であり,内容はどちらも散歩・ウォーキングが多かった.ふだんから歩数計などをつけている人は勤労者で約1割,高年齢者では約3割であった. 今回の調査では,意識の高い人やすでに行動をしている人がより多く質問紙に回答・返送している可能性があり,対象集団の偏りを考慮しなくてはならない.しかし回答者の中では身体の動かし方や意識の持ち方などにばらつきがあり,今後は身体活動と身体活動に関する意識と行動,および近隣環境要因との関連や,健康観,ソーシャル・キャピタルとの関連等について分析を進めていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度(2年目)の研究計画に基づき,質問紙の作成,関係機関との調整,研究倫理審査の申請等を行い,質問紙調査を行った.調査は平成28年11月~12月にかけて,地方都市であるA市に在勤する勤労者,およびA市に在住する高年齢者を対象として実施した.回収後に集計を行い,結果の概要についてまとめ,研究協力機関に報告した. また,平成27年度(1年目)に収集したデータのクリーニングを引き続き行った.しかしデータ分析,研究成果発表まで進めることができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度・28年度に収集したデータのクリーニングと分析を継続して進めていく予定である.身体活動量やそれに関する意識と,環境要因等との関連を分析し,身体活動を促進する要因を検討し,研究成果発表につなげていく. また,身体活動に関する情報収集で用いる質問項目に関しては,引き続き妥当性の検討が必要であると考えられる.今後は,加速度計を用いた場合の身体活動量計測値との比較検討を行うことも計画している.
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次年度使用額が生じた理由 |
調査で郵送による回収を行った際に,見込みよりも回収率が低く,郵送費の実支出額が予定支出額を下回ったため,次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は,平成27年度・28年度に収集したデータのクリーニングと分析を進めていく予定であり,それに係る消耗品,人件費等として使用する予定である.また,身体活動に関する質問票の項目については,今後も妥当性の検討が必要であると考えられるため,加速度計を用いた身体活動量計測を行うことを計画しており,その消耗品,旅費,人件費等に係る経費として使用する予定である.
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