2018年度は、地域サロンと訪問支援の統合化プログラム(以下、統合化プログラム)を地域サロン参加者及び脱落者に実施し、有用性を検証することを計画していた。実施した内容は、前年度住民及び関係職種とのグループワーク結果から検討した統合化プログラムの成果項目を示すインパクト理論を基に、実施内容を示すプロセス理論と、効果的な実施の要素である効果的援助要素を抽出した。更にそれを現場担当保健師や事務管理職、疫学や福祉学の専門家と共有し、検討を重ね暫定版として作成した。また、既存データを集計し、現状を把握するとともに、アウトカム・プロセス・ストラクチャーの評価項目となりうる量的データを検討した。そのため、有用性の検討として量的データの収集までは至らなかった。 研究期間全体としては1.現在の地域サロンの見直しと、介入による成果の段階的な指標を検討する(2015)、2.1の成果の指標を踏まえた、地域サロンと訪問支援の統合化プログラム(以下、統合化プログラム)を開発する(2016、2017)、3.2の統合化プログラムを地域サロン参加者及び脱落者に実施し、有用性を検証する(2017及び2018)ことを目的に実施した。最終的な有効性までは十分検証するに至らなかったが、プログラム理論に基づく評価としては介護予防分野で初めての導入となった。これにより、事業実施の実施の目的化を防ぐ評価指標と、住民及び関係機関内における評価文化の醸成への刺激を与えることが出来たと考える。
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